Monocha氏は、EE Times誌の取材に対し、米国ニューヨーク州マルタ(Malta)にある同社の製造施設でウエハーの量産を開始したことを明らかにした。しかし、同施設の今後については、さまざまな憶測が流れている。GLOBALFOUNDRIESは、顧客企業に対して失った信頼性を取り戻すことができるのか、また、20nm/28nmプロセス技術によってティア1(第1階層)のファブレス企業を引きつけることができるのかなど、多くの疑問が残っているからだ。
そして、重要なのが、最も親密なパートナー企業であり大株主でもあるAMDとの関係も疑問視されているという点だ。AMDは、GLOBALFOUNDRIESで28nmプロセスのチップを製造する予定だったが、発注を取りやめている。また、しばらくの間は、GPU(Graphics Processing Unit)の製造拠点をTSMCから移す予定もないようだ。このため一部のアナリストには、「AMDとGLOBALFOUNDRIESとの間で緊張が増していることを考えれば、両社の関係が今後も継続するとは思えない」と公言する者も出ている。
AMDは、GLOBALFOUNDRIESのFab 1において、32nmのSOI(Silicon on Insulator) HKMGプロセスを適用し、Llanoの次世代品である「Trinity」を製造する予定だと発表している。しかし、その後を予測するのは難しい。
2012年のウエハー供給契約の状況に関しては、まだ最新情報が明らかになっていない。それにもかかわらず業界では、「AMDは、32nmプロセス以降での製造については、GLOBALFOUNDRIESからTSMCに拠点を移すのではないか」といううわさが広まっている。
もしAMDとの関係が切れれば、GLOBALFOUNDRIESは本当の試練に直面する。その名のとおり、どれだけ“グローバル”に、つまり世界に通用する製造技術を提供できるのか、同社の実力が試されることになるだろう。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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