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「28nmで既に複数顧客が量産中」、GLOBALFOUNDRIESのCEOが会見ビジネスニュース 企業動向

半導体ファウンダリ大手のGLOBALFOUNDRIESは、28nmプロセスの製造をめぐって、主要顧客であるAMDの“くら替え”が報道されている。初来日したCEOは会見で、「28nm世代では、競合他社を大きく引き離している」と主張した。

» 2011年12月12日 19時08分 公開
[薩川格広,EE Times Japan]

 半導体受託製造(ファウンダリ)大手のGLOBALFOUNDRIESでCEO(最高経営責任者)を務めるAjit Manocha(アジット・マノチャ)氏は、2011年12月12日に東京都内で開催した記者会見で、同社が提供する28nm世代のプロセス技術を「複数の顧客企業が利用しており、その中にはすでに量産している顧客もある」と述べた。

 同社は、プロセッサ大手メーカーのAMDから製造部門がスピンオフして2009年に誕生したファウンダリ企業である。2010年にはファウンダリ専業のシンガポールChartered Semiconductor Manufacturingを吸収合併し、TSMCに次ぐ世界第2位のファウンダリ企業になった。ところが同社をめぐっては最近、主要顧客であるAMDが28nm世代のAPU(Accelerated Processing Unit)の製造委託先をGLOBALFOUNDRIESからTSMCに変更したとの報道が流れており(参考記事)、その理由として28nm世代の生産立ち上げの遅れや歩留まりの低さがあると指摘されていた。

図1 GLOBALFOUNDRIESでCEOを務めるAjit Manocha氏 直近までメモリメーカーのSpansionでワールドワイド経営担当上級副社長兼統括執行取締役を務めていた。GLOBALFOUNDRIESのCEO就任以来、今回が初の来日である。

 CEOのManocha氏は今回の会見で、「AMDのみならず全ての顧客企業について、当社の利用状況はコメントできない」としながらも、「高誘電率膜/金属ゲート(HKMG:High-k/Metal Gate)を適用した28nm世代(の生産の立ち上げ)では、競合他社を大きく引き離している」と主張した。

 同社は現在、28nmプロセスを用いた生産をドイツのドレスデンにある「Fab 1」のみで展開しているが、今後は米国のニューヨーク州サラトガ郡に新たに建造した「Fab 8」でも28nmラインを立ち上げる。Fab 8は現在、32nm世代と28nm世代の製造装置を搬入しているところで、2012年に生産を開始する予定だ。さらに同ファブには20世代の生産ラインも構築する。2012年半ばに製造設備の導入を始める計画だという。ただし20nm世代の生産開始時期については、現時点ではコメントしていない。

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