TSMCは、28nm世代のプロセス技術で加工したウエハーの顧客向け出荷が低調だったにもかかわらず、利益と売上高を堅調に伸ばし、同社が依然として28nmウエハーの主要なサプライヤであることをあらためて証明した。
半導体ファウンドリ大手であるTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing)にとって、28mm世代のプロセス技術で加工したウエハーの顧客向け出荷が低調に推移していることも、収益拡大の障壁にはならなかったようだ。同社は、2012年第3四半期も売上高が継続的に上昇し、前期比で7%増になると見込んでいる。また、2012年第3四半期に28nmウエハーの出荷を2倍に増やす予定としている。
TSMCの2012年第2四半期の純利益は418億1000万ニュー台湾ドル(約13億9000万米ドル)で、売上高は1280億6000万ニュー台湾ドル(約42億7000万米ドル)に達した。2011年第2四半期に比べて純利益は16.3%、売上高は15.9%増加した。また、2012年第1四半期と比較すると、純利益は24.9%増、売上高は21.4%増となり、純利益、売上高とも継続的に増加したことになる。
TSMCは、28nmウエハーの生産量を顧客の要望通りに増やせなかったため、一部の顧客はTSMC以外のファウンドリとの提携を検討しようとした。しかし、TSMCは依然として28nmウエハーの主要なサプライヤであり、顧客にとっては最先端プロセスを提供するファウンドリとして無視できない、数少ない選択肢である。同社自体も、新製品の投入や歩留まりの向上といった取り組みを積極的に推進しており、計画通りに推移していると主張している。
TSMCにおける2011年第2四半期のウエハー売上高のうち、各プロセスノードが占める割合は28nmが7%、40nmが28%、65nmが26%だった。2012年第2四半期も、TSMCが“最先端技術”と称するこれら3つのプロセスノードを用いたウエハーの売上高は、ウエハー全体の売上高のうち61%を占めた。
TSMCの最高財務責任者(CFO)であるLora Ho氏は、報道発表資料の中で、「当社の28nmウエハーへの需要が引き続き高いことから、2012年第3四半期には同ウエハーの出荷数を倍増できると見込んでいる。28nmウエハーの売上高増加は、2012年第3四半期における売上高増加分のうち80%以上を占めることになるだろう」と語った。
TSMCは、2012年第3四半期の売上高について、1360億〜1380億ニュー台湾ドル(約45億4000万〜46億米ドル)になると見込んでいる。
【翻訳:清藤康司、編集:EE Times Japan】
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