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中国は“Apple神話”を打ち破る市場なのかビジネスニュース オピニオン(2/2 ページ)

» 2012年12月20日 11時24分 公開
[Junko Yoshida,EE Times]
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4. China MobileとAppleの提携交渉が合意に達するには、まだ時間がかかる

 この件については、多くの業界アナリストが同様の見解を示している。Appleが世界最大の携帯電話機市場に本格的に参入するには、China Mobileとの提携が不可欠だ。China Mobileは、約7億万人のユーザーを抱える世界最大の通信事業者である。AppleがChina Mobileとの提携交渉を進めていることは確かだが、China Mobileが中国でのiPhone販売に向けて提示している助成金の額はまったく明らかになっていない。

 AppleがChina MobileへのiPhoneの供給を望んでいることは間違いない。しかし、重要なのは、China Mobileが加入者を増やすために、iPhoneをどれほど必要としているのか、また、フィーチャーフォンからTD-SCDMAに対応した新しいスマートフォンへの移行をどれくらい積極的に進めるつもりなのかである。China Mobileは既に、TD-SCDMAに対応したAndroidスマートフォンの低位機種を数種類用意している。さらに、同社の製品ラインに、Nokiaのスマートフォン「Lumia」を加えることも発表している(関連記事:中国のスマートフォン市場で、NokiaとAppleがせめぎ合い)。

写真はイメージです

 Appleが、TD-SCDMAだけでなく次世代通信規格であるTD-LTEにも対応したiPhoneを発表すれば、AppleとChina Mobileの温度差を埋められるかもしれない。TD-LTE対応のiPhoneが、TD-LTE市場におけるChina Mobileの売り上げを後押しする可能性は高い。しかし、マルチバンド/マルチスタンダードに対応した世界規格のTD-LTE携帯電話機の市場セグメントは、2013年末までは軌道に乗らないとする見方が多い。

5. Appleにとって中国は、同社の利益の15%を生み出す、2番目に大きい成長市場である

 製品モデルの種類や価格帯を限定するAppleの製品展開は、民生機器業界の常識に矛盾する戦略でありながら、同社の独自品質は業界をリードしている。同社は、何のためらいもなく最も高い価格のスマートフォンを投入し、圧倒的なブランド力を武器に、強引とも思えるやり方で新しい市場への参入を進めている。

 これが、業界でAppleが賞賛され、時に畏れられている理由だ。その一方で、Appleが独自品質に対する神話を維持し続けられるかどうかは疑問である。中国は、“Appleの神話”を打ち破る市場となるかもしれない。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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