Gartnerは、2012年における携帯電話機の世界販売台数が、前年比1.7%減の17億5000万台になったと発表した。2012年には、デスクトップPCとノートPCに加えて携帯電話機の売上高も減少したことになる。
一般に、現在の半導体市場は、タブレット端末とスマートフォンによって支えられていると考えられている。だが、ここに気になる統計がある。2012年には、デスクトップPCとノートPCだけでなく携帯電話機の売上高も減少したというものだ。
米国の市場調査会社であるGartnerは、2012年における携帯電話機の世界販売台数(最終消費者向け)が、前年比1.7%減の17億5000万台になったと発表した。
Gartnerで主席リサーチアナリストを務めるAnshul Gupta氏は、報道発表資料の中で、「世界の携帯電話機市場は、2009年にも縮小したことがあった。当時は、厳しい経済状況、消費者の嗜好(しこう)の変化、激しい市場競争といった要素が市場の縮小を招いた」と述べている。
Gartnerによると、2013年には、スマートフォンの急成長に後押しをされて携帯電話機の売上高は回復する見込みだ。2013年にスマートフォンの世界販売台数(最終消費者向け)は10億台近くになり、携帯電話機全体の販売台数は19億台に達するとGartnerは予測している。この内訳から、スマートフォン以外の携帯電話機は不振に陥るということができる。
Samsung Electronicsは、幅広い市場を掌握することができるだけの資産と能力を有している。これは、どの競合他社も容易に対抗できないほどの強みである。だが、Gartnerは、2013年にはソニーやフィンランドのNokiaといった企業の業績が改善するのに伴い、市場での競争は激化するとみている。Gupta氏は、「SamsungはAndroid対応機器の世界市場で42.5%のシェアを獲得している。二番手のシェアはわずか6%だ。このような状況から、Androidのブランドは、Samsungの『GALAXY』ブランドによって影が薄れている状態にある。消費者のマインドシェアという観点からは、“GALAXY”と“Android携帯”は、ほぼ同義語になっている」と述べた。
Nokiaは、2012年第4四半期に携帯電話機の売上高の面で回復をみせた。「Asha」シリーズに対する消費者からの反応が良かったことと、Microsoftのスマートフォン向けOSである「Windows Phone 8」を採用した最新モデル「Lumia」を発売したことによるものだ。しかし、シェアの面でNokiaの失速に歯止めがかかるには至らなかった。同社の世界シェアは過去最低の19%となった。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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