低迷が続いていたNAND型フラッシュメモリ市場だが、2012年第4四半期は、前期比17%増と大幅な成長を遂げた。市場をけん引しているのはSamsung Electronicsと東芝であり、この2社だけで60%以上のシェアを持っている。
米国の市場調査会社であるIHS iSuppliによると、NAND型フラッシュメモリの世界市場は、2012年第4四半期に驚異的な成長を遂げたという。
2012年第4四半期におけるNANDフラッシュの売上高は、同年第3四半期に比べて17%増加し、56億3400万米ドルに達した。過去5年間にわたり、第4四半期におけるNANDフラッシュの売上高は、前期比で平均6%減少していた。
NANDフラッシュの2012年通年の売上高は202億1100万米ドルだった。IHS iSuplliは、同年通年の売上高は、2011年の212億米ドルから7%減となる197億米ドルになると予想していた。
2012年のNANDフラッシュ市場をけん引したのは、Samsung Electronicsと東芝だ。この2社で、全市場の2/3を占めている。その他の主要なNANDフラッシュメーカーとして挙げられるのは、Micron Technology、SK Hynix、Intelの3社だけだという。
2012年第4四半期におけるSamsungのNANDフラッシュの売上高は、約20億米ドルだった。通年での売上高は75億米ドルで、37%のシェアを獲得している。2009年以降、Samsungの四半期のNANDフラッシュの売上高は、モバイル機器事業(特にスマートフォン)の著しい成長に支えられ、17億米ドルから21億米ドルの間で推移してきた。
NANDフラッシュの力強い成長に貢献したのは、やはりスマートフォンとタブレット端末である。ただし、これらに搭載されるNANDフラッシュの増加傾向は、2013年には落ち着くとみられている。
その他の動きとしては、NOR型フラッシュメモリを手掛けてきたSpansionがNANDフラッシュにも参入し、2013年第4四半期に約1000万米ドルを売り上げた。また、MacronixとWinbondもNANDフラッシュ市場への参入を狙っているが、IHS iSuppliは「これらの企業がシェアを大幅に増やすとは見込んでいない」という。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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