ここ最近、注目が集まっているスマートウォッチ。2013年には、120万台が出荷される見込みだ。AppleやMicrosoft、Samsung Electronicsも独自のスマートウォッチを開発しているとうわさされており、今後、同市場は順調に成長するとみられる。
米国の市場調査会社ABI Researchによると、ここ数カ月でいわゆる「スマートウォッチ」の新型モデルがいくつか発表されたことにより、2013年のスマートウォッチの出荷台数は120万台以上に達する見込みだという。
スマートウォッチは約10年前から存在していたものの、ビジュアル面の魅力に乏しい、かさばる、機能性が低くバッテリー寿命が短いといった点から、大部分は商業的に成功しなかった。だが、過去9カ月にわたり、新型のスマートウォッチが多数発表されていることから、スマートウォッチに対する消費者の見方が変わる可能性もあるという。
ABI ResearchのシニアアナリストであるJoshua Flood氏は、スマートウォッチの将来性が高まった要因として、「世界市場の多くでスマートフォンが幅広く普及したこと」、「MEMSセンサーの普及と低コスト化」、「Bluetooth 4.0などエネルギー効率の高い通信技術の発展」、「アプリ(アプリケーション)のエコシステムの繁栄」を挙げた。
Appleは、スマートフォンと同様の機能を備えたウェアラブルコンピュータ「iWatch」を開発中であるとうわさされている。また、Microsoftも独自のスマートウォッチを開発中であると大きく報道された。
ABI Researchによると、スマートウォッチは「通知型」「音声操作型」「ハイブリッド型」「完全独立型」という4つのカテゴリに分類できるという。通知型の例として、「MetaWatch」や「COOKOO」があるが、これらは電話の着信やメッセージの受信などを通知してくれる。一方、Martian製などの音声操作型のスマートウォッチでは、スマートウォッチを介して電話の発信を誘導したり、コマンドを伝えたりできる。
ABI Researchによれば、独自のOSを備えた独立型のスマートウォッチは、単に“スマートフォンの機能を補完するもの”ではないという。このタイプは、高い機能性を備えるほか、スピーカなどの民生機器に接続できる。そのため、「スマートフォンと連携して使う」というより、スマートウォッチそのものが欲しくて購入する消費者も多くなるとみられている。
独立型のスマートウォッチの例として、イタリアのメーカーが販売する「i'm Watch」が挙げられる。また、iWatchやMicrosoftのスマートウォッチ、Samsung Electronicsの「Galaxy Altius」など、開発や発売がうわさされているものも、独立型とされている。
Flood氏は、「スマートフォンの機能を再現したスマートウォッチは、技術的には実現が可能だ。あとは市場の問題である」と述べた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.