デスクトップPC向け液晶モニター市場の縮小が続いている。ノートPCの普及による影響はそれほどでもなかったが、スマートフォンやタブレット端末の台頭は大きく影響したようだ。
米国の市場調査会社であるNPD DisplaySearchの報告書「Quarterly Desktop Monitor Shipment and Forecast Report(デスクトップPCモニターの四半期出荷動向と予測)」によると、スマートデバイスの普及に押され、2014年第1四半期のLCD(液晶ディスプレイ)モニターの出荷数は、過去10年で最低を記録した。
NPD DisplaySearchは、「同四半期のデスクトップPC向けのLCDモニター(以下、デスクトップモニター)の総出荷数はわずか3420万台で、2004年第3四半期以来の低水準を記録した。なお、2004年第3四半期は、LCDモニターとCRTモニターの出荷数が合計で3330万台だった」と述べている。
2014年第1四半期のデスクトップモニターの出荷数は、前年と比べて2%、前四半期と比べると3%減少し、2011年第4四半期から10四半期連続で減少している。だが、デスクトップモニターの減少の兆候は、タブレット端末が市場に投入された2010年第1四半期からわずか3四半期後の2010年第4四半期にはみられていた。
NPD DisplaySearchは、「デスクトップモニター市場の縮小には、いくつかの要因がある」と指摘する。その1つに、同市場が既に成熟した市場だったことが挙げられる。デスクトップモニターの出荷数は、1億8000万台を記録した2007年にピークを迎えている。
タブレット端末の登場以前にも、デスクトップPCからノートPCへの置き換えは徐々に進んでいたが、ノートPCの普及による影響はそれほど大きくはなかった。しかし、スマートデバイスが登場すると、PCの使われ方がそれまでとは一変し、デスクトップPC/ノートPCからスマートフォンやファブレットに多くのエンドユーザーが流れた。
今後は、デスクトップモニター市場の低迷はさらに進むと予想される。この傾向が覆される可能性は極めて低いと思われる。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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