NECと村田製作所は、NECおよびNEC山梨が手掛ける磁気抵抗センサー(MRセンサー)事業を、村田製作所が譲り受けることで合意した。村田製作所はこれにより、「民生機器や産業機器の分野に拡大するMRセンサー市場への取り組みを強化できる」としている。
村田製作所とNECは2013年2月1日、NECおよびNEC山梨が、両社の磁気抵抗センサー(MRセンサー)事業を村田製作所に譲渡することで合意したと発表した。本合意に基づき、村田製作所とNECは、2013年6月1日をめどに譲渡を完了する予定だとしている。なお、NEC山梨は、NECの100%子会社である。
NECのMRセンサーは、携帯電話機、ノートPCの開閉検出や、給湯器、水道・ガスメーターなどの流量検出といった、幅広い製品に採用されてきた。
一方、村田製作所は、紙幣・磁気インクなどの磁気識別センサーや、OA/FA機器の回転センサーを提供しており、特定の市場で高いシェアを獲得している。今後は、産業機器、車載機器、民生機器の市場向けに事業を拡大すべく、新たな磁気センシング技術の獲得を検討してきたという。
村田製作所は、「今回、MRセンサー事業を譲り受けることにより、村田製作所は、NECのMRセンサー事業の技術資産やノウハウと、村田製作所の技術および電子部品事業で培った幅広い顧客基盤を組み合わせ、民生機器や産業機器向けに拡大するMRセンサー市場への取り組みを強化することができる」と述べている。
なお、両社によると、この事業譲渡が、両社の業績に与える影響は軽微だとしている。
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