オムロンは2014年10月2日、シート1枚とLED1個で空間に3次元(3D)映像を投影する「透明プレート型空間投影技術」を開発したと発表した。
オムロンは2014年10月2日、シート1枚とLED1個で空間に3次元(3D)映像を投影する「透明プレート型空間投影技術」を開発したと発表した。
同社では「世界初」の技術とし、看板の3D表示や各種のジェスチャー入力機器や非接触スイッチの空間上の感知部分を可視化するなどの幅広い用途での応用を見込む。
空中に映像を浮かび上がらせる空間投影技術は既に凹面鏡や2面コーナーリフレクタアレイといった技術を用いたものが開発されているが、「多くの部品を搭載し比較的規模の大きなシステムや設置スペースが必要だった」(オムロン)。
その中でオムロンが開発した技術は、プレートまたはシート1枚とLED1個のみで空間に3D映像を投影できるもの。LEDの光をプレートやシートから出射させ、3Dの静止映像を空間に投影する。プレートやシートの手前のみでなく、向こう側にも投影が行える他、ディスプレイが透明で目立たないため、映像の空間浮遊感が損なわれず、視界が妨げられないという特長を持つ。
シートを用いれば曲げたり、透明ガラスに貼り付けたりすることができる。また、実空間の物体への表示の重ね合わせ、複数枚のシートを重ねての使用も行える。
同社は、「長年にわたり、光指向性設計技術と微細加工技術の高度化技術を蓄積し、携帯電話機の液晶ディスプレイ向け点光源用バックライト、シート型バックライト、アミューズメント向け透明電飾パネルなどを開発、商品化してきた。今後はこれらの技術を空間投影の分野に応用し、未来の生活空間を快適にしていくことで、人々が楽しく豊かに暮らせる社会の実現に貢献していく」としている。
なお、同社は2014年10月7〜11日に千葉市の幕張メッセで開催される展示会「CEATEC JAPAN2014」(シーテックジャパン)に出展し、透明プレート型空間投影技術を公開する予定だ。
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