吉田氏は、「Ringは日常の動作を“ショートカット”するためのもの。例えば、テレビをつける時には、リモコンを探して取りに行って、テレビをつけている。Twitterに投稿する時には、スマートフォンを起動してTwitterのアプリを立ち上げて投稿する。日常生活での動作は、このように複数のステップを踏まないと成り立たない。Ringを使えば、それらが“ワンジェスチャ(1回のジェスチャ)”で行える。それが、当社の考える未来的な生活だ」と語る。
スマートグラスやスマートウオッチをはじめ、さまざまなウェアラブル機器が市場に投入されているが、吉田氏はそれらは「競合ではなく、むしろRingと連携してほしいパートナー」と強調する。「他のウェアラブル機器というのは、映像や数値を表示する“アウトプット”のようなもの。Ringは、機器の操作など何かしらの動作を指示する“インプット”機器。例えばRingで“連絡先を表示”と指示して、それをスマートグラスに表示するといった使い方が考えられる」(同氏)。実際、Ringは「Google Glass」に対応している。その他、照明をスマートフォンなどで操作できる「hue(ヒュー)」や、Wi-FiにつながるAC電源「WeMo」にも対応している。
Ringは日本で生産している製品だ。量産が遅れているとして非難を浴びたRingだが、吉田氏によれば少しずつ生産ペースは上がっていて、徐々に追い付いている状態だという。
Ringはクラウドにつながっている機器を操作するので、そもそもクラウドにつながる機器が増えなければ用途も増えていかない。その点は吉田氏も認識していて、「まずはRingで何ができるのか、そのアイデアを当社からどんどん示すことが必要だと思っている。ただ、家電メーカーをはじめ自動車メーカー、飛行機メーカー、宝石メーカーなどからコンタクトがあり反応には手応えを感じている」と話す。特にRingは機能性だけでなくファッション性も追求しているので、付けていても指輪とそん色のないようなウェアラブル機器を目指す。
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