UMCは、中国のアモイ市とFuJian Electronics and Information Groupとの合弁事業として、12インチウエハーのファウンドリサービスを展開している。
CFOのLiu氏は、UMCはまず合計62億米ドルを投じてこの合弁会社の株式保有率を1/3にし、その後2020年ごろまでには2/3に、最終的には約10年をかけて100%にする計画だと述べた。UMCの当初の支出額は、同社の財政負担を減らすことを目指したものである。
この合弁会社では、SIMカードなどを手掛ける顧客に向けてチップを製造するために、40nm〜55nmプロセス技術が導入される計画だ。UMCによると、合弁会社で用いられるプロセス技術は、台湾政府による規定に沿うものになるという。台湾は、中国に投資する台湾のチップメーカーに対し、「ゲート幅を、最先端プロセスの2倍にした世代」を採用するよう求めている。UMCは、中国の新しい製造工場が将来的に、より高度なプロセス技術に転換されるかどうかについては明言しなかった。
Liu氏は「台湾政府は、中国に28nmプロセス技術を移転することをまだ許可していない」と説明している。
台湾政府は雇用機会とコア技術を失うという懸念から、中国企業によるチップ投資を制限している。UMCは現在、8インチウエハーのファウンドリサービスを手掛ける中国のHeJian Technologyの株式の87%を保有している。
UMCはアジアのパートナー企業と協力して生産能力を展開することを目指している。それにより、現地市場にとって有益な製造拠点や、グローバルな顧客がサプライチェーンにおける地理的リスクを軽減するのに役立つ製造拠点を構築できるとしている。
UMCによる富士通セミコンダクターへの投資(関連記事:富士通三重工場にUMCが100億円出資――40nmライン新設し車載向け製品を生産へ)や、アモイでの合弁事業は、そうした方針を表わす良い例であるといえる。富士通セミコンダクターとの協業には、40nmプロセス技術のライセンス契約が含まれるが、UMCはこれにより日本市場により貢献できるようになると見込んでいる。
UMCの2014年第3四半期における売上高は、29億2000万台湾ドル(約108億400万円)。前年同期の34億8000万台湾ドル(約128億7600万円)から減少している。利益も減少したが、その要因として、同社がシンガポールに保有している製造工場の設備改修と、太陽光エネルギー関連の子会社の低迷が挙げられる。
【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.