Lin氏がまだGoogleに在籍していた当時、Lei氏はモバイル向けWebブラウザを手掛けるUCWEBの個人投資家だった。Lei氏は、King Softwareの新規株式公開(IPO)を支援するなど、数多くのスタートアップ企業を成功に導いた。
ビジネスパートナーであったLei氏とLin氏は、Androidとモバイルインターネットについて何度も話し合ったという。Lin氏は、「われわれは、情熱を共有していた。週末の夜8時に集まっては、朝の3時までぶっ通しでアイデアを交換していた」と語っている。
両氏は、中国のモバイルインターネットとeコマース市場の改革を目指して、新事業に関するアイデアを温めていた。Lin氏はその時点では、Googleを辞めてLei氏に協力するとは決断していなかった。しかし、2012年1月12日にGoogleが中国からの撤退を発表したのを機に、Lin氏はGoogleを去ることを決断したという。
Lin氏は、「私はその発表の前日、Andy Rubin氏とのミーティングのためにサンフランシスコに入った。だが、Rubin氏はミーティングをキャンセルした。そんなことは、それまで一度もなかった。私は、何が起ころうとしているのかまったく分からずにいた。中国からの撤退はGoogleにとって正しい決断ではあるが、私にとっては非常に大きな驚きであり、かなり動揺した。私は当時、北京のGoogleで300〜400人の研究開発チームを指揮していた。Googleの中国支社には、それよりもっと多い従業員がいた。誰一人として、中国からの撤退については知らなかった」と述べている。
Xiaomiは、初代スマートフォンの設計を2010年6月以降に始めた。これは非常に骨の折れる作業に見えた。最初の5人の共同創設者たちは、ソフトウェアのコードについては詳しくても、ハードウェアについては何一つ知らなかったからである。既にMotorolaを離れていたZhou氏がXiaomiに入社するのを待つしかなかった。
Xiaomiが創設されているその時、Zhou氏はMotorolaで新型スマートフォンのプロジェクトに携わっていた。しかしそのプロジェクトが立ち行かなくなり、Zhou氏は、Motorolaのハードウェア設計部門で15年にわたり蓄えたRFの知識とともに、Xiaomiに移ったのである。
※第2部となる「あくまで高性能な部品を、シャオミのこだわり」はこちらからご覧ください。
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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