続いて研究グループは、マイクロ波空洞共振器の中に、YIG球と超伝導量子ビットを配置して実験した。この実験では、空洞共振中のマイクロ波光子の仮想励起状態を介した、超伝導量子ビットとYIG球上のマグノン間のエネルギー量子のコヒーレントな相互作用の証拠を、真空ラビ分裂と呼ぶエネルギー準位の分裂として観測することができた。
さらに研究グループでは、マグノンと光通信波長帯光子との相互作用についての研究にも取り組んでいる。マグノンと光子の間のリンクを実現することで、マグノンを介したマイクロ波と光の間の量子インタフェースを術減していく方針である。
今回の研究成果は、量子コンピュータと量子通信ネットワークの間で、量子情報を受け渡す量子インタフェースや、それを用いた量子中継器への応用が期待されている。なお、成果については2015年7月9日(米国時間)発行の米国科学誌「サイエンス」オンライン版に掲載された。
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