データセンターがシングルラック構成から大規模なマルチラック構成へと進化する中、CXLによるメモリプーリングと並んで注目すべき接続技術がUALinkだ。UALinkはオープンな接続規格で、PCIeエコシステムを基盤として、高帯域幅/低レイテンシ/長距離伝送といった次世代AIアクセラレーターに求められる要件を満たす高速IOを実現している。
UALinkは、PCI-ExpressやAMDのInfinity Fabric、そして改良されたEthernet SerDes技術の要素を組み合わせ、アクセラレーターメモリファブリック向けの専用インターコネクトを実現している。UALinkコンソーシアムによると、UALinkはEthernetと同等のスループットを維持しながら、PCIeスイッチ並みの低レイテンシを実現しているという。UALink 1.0仕様は2025年4月に発表された。
今回の買収により、MarvellのUALinkスケールアップスイッチの開発チームは、PCIeスイッチングに関するXConnの深い専門知識を活用できるようになる。将来的には、XConnのPCIeシリコンIP(Intellectual Property)をMarvellのUALink製品に取り込むことで、NVIDIAの「NVLink」の優位性に挑戦できるようになるだろう。
GPU/アクセラレーター向けのこのオープンなインターコネクト規格は、NVIDIAが独自に開発し、同社のハードウェアに深く統合されたNVLinkに挑む存在だ。NVLinkもUALinkと同様に、アクセラレーター間のデータ転送に特化したポイントツーポイントの接続を提供している。
NVIDIA以外のアクセラレーターを展開する企業や、マルチベンダー環境での柔軟性を求める企業にとっては、UALinkが有力な選択肢となるだろう。一方で、AIハードウェア市場におけるNVIDIAの支配的地位を踏まえると、今後はUALinkとNVLinkが共存する形でAI接続市場が形成される可能性が高い。
今回の買収のタイミングは2つの点で重要だ。まず、AIデータセンターは、アクセラレータークラスタの性能を制限するメモリのボトルネックに直面していて、こうした技術的な転換点において、従来型のインターコネクトでは、1000億パラメーターを超えるAIモデルの要求に対応できなくなっている。次に、アクセラレーター間での高速なデータ転送には、毎秒テラバイト級のスループットを実現するインターコネクトが必要とされている。
このような背景の中、MarvellによるXConnの買収は、上述のインターコネクト要件に対応するための戦略的な一手といえる。MarvellのCEOであるMatt Murphy氏は「XConn Technologiesの買収は、次世代AIおよびクラウドデータセンター向けコネクティビティ戦略の一環だ」と述べている。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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