「昨今、日本の産業の核となる“電気・電子分野”で活躍したいという人材が減少し、残念ながら学生のレベルの低下も見られる」――。こうした危機感から、計測器の大手メーカーであるローデ・シュワルツの日本法人は、国内の教育研究機関を対象にデジタル・オシロスコープを寄贈するプロジェクトを立ち上げた。
測定器メーカー大手の独Rohde & Schwarzの日本法人であるローデ・シュワルツ・ジャパンは2012年6月18日、国内の教育研究機関を対象にデジタル・オシロスコープを寄贈するプロジェクトを立ち上げたと発表した。日本法人独自のプロジェクトである。「昨今、日本の産業の核となる“電気・電子分野”で活躍したいという人材が減少し、残念ながら学生のレベルの低下も見られる。当社は、日本の産業競争力を上げていくために、未来を担う技術者を育成していくことが重要と考え、企業の社会貢献として、人材育成を応援したいという思いで始めた活動だ」(同社)。
寄贈するデジタル・オシロスコープは「R&S RTOシリーズ」で、「3年間で100研究室」を目標に掲げている。「オシロスコープは教育研究機関において幅広く使用されており、当社の最新オシロスコープを使用することで、向学心を高めてもらえることを期待している」(同社)。既に、同シリーズを佐賀大学 大学院工学系研究科に寄贈しており、同大学の学長である佛淵孝夫氏より感謝状の授与を受けた。
さらに同社は、製品を寄贈した研究室の学生を対象に、研究成果を発表する場を提供することを狙って、実験リポートのコンテストを開催する予定である。優秀なリポートを作成した学生5名をドイツのミュンヘンにある本社へ招待し、実際の製品開発の現場や製造ラインを見学する機会を設ける計画だ。同社は、こうした取り組みを通して、「電気電子産業への関心を育成するための手伝いをしていきたい」としている。
寄贈に関する問い合わせは、ローデ・シュワルツ・ジャパン 総務部人事、電話03-5925-1288、電子メールadmin.rsjp@rohde-schwarz.comまで。
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