Marvellは以前、LTEモデムチップの認証プロセスにおいて、さまざまな困難を経験した。しかし今や、ZTEをはじめとする世界的な機器メーカーから、LTEチップのデザインウィンを獲得するに至っている。Marvellの共同創設者であるWeili Dai氏は、米国EE Timesのインタビューに応じ、「2013年中に、当社のシングルチップLTE/アプリケーションプロセッサのプラットフォームを採用した製品が登場するだろう」と語っている。
一方、NVIDIAのLTE対応モデムチップi500も、競合他社の製品と互角に渡り合っているようだ。
NVIDIAのCarmack氏は、ブログの中で、「LTE対応モデム『Icera i410』は、米国の通信キャリアであるAT&TのLTEマルチモードネットワークの認証を通過したことにより、ソフトモデムアーキテクチャとしての可能性を実証した。第2世代の『Icera i500』は、従来に比べて5倍以上の演算性能を実現している。i500は、ハイエンドの主要な携帯端末をターゲットに、LTEに対応したマルチモードモデムを世界に展開すべく開発した製品だ」と書いている。
また、Forward ConceptsのStrauss氏は、「NVIDIAのモデムチップには、大いに感銘を受けた。というのも、NVIDIAは、アプリケーションプロセッサと高性能モデム製品の開発を目指してIceraを買収してから、わずか20カ月で製品の発表に至ったからだ。もちろんその背景には、Iceraが既に2005年からモデム製品の提供を開始しており、新興企業ならではの積極性や、最先端の無線設計技術を持っていたということがある。一方のNVIDIAも、豊富な資金力に加え、同じように積極的な社風を有していた」と述べている。
NVIDIAのi500は、28nmプロセスで製造する。ただし、ここで注視すべきは、i500がLTEカテゴリー4ではなく、カテゴリー3(下り最大100Mビット/秒)をサポートしているという点だ。ただし、NVIDIAによれば、ソフトウェアをアップグレードすれば、LTEカテゴリー4のキャリアアグリゲーション機能(下り最大150Mビット/秒)をサポートできるという。Strauss氏は、「OTA(Over the Air)によるソフトウェアアップグレードが可能なLTEモデムは、おそらくi500だけだ。これこそが真のソフトウェア無線だといえる」と分析している。
【翻訳:田中留美、平塚弥生、編集:EE Times Japan】
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