Intelが2013年第1四半期の決算を発表した。売上高、純利益ともに減少しており、PC市場の低迷のあおりを受けた結果となった。ただし、Intelは、2013年通年の同社の売上高は緩やかに伸びる見通しだと発表している。
Intelは、2013年第1四半期における同社の売上高と純利益が減少したことを明らかにした。厳しい状況にあるPC市場の影響を受けたためとみられる。ただし、2013年全体の売上高は、緩やかに伸びる見通しだという。また同社は、2013年の設備投資額予測を、約10億米ドルに下方修正した。
Intelの2013年第1四半期における売上高は126億米ドルで、前期(2012年第4四半期)比では7%減、前年同期(2012年第1四半期)比では2%減となる。また、純利益は20億米ドルで、1株当たり利益は40米セントだった。これは、前期比で17%減、前年同期比では25%減となる。
同社が今回発表した2013年第1四半期の売上高は、アナリストの予測とほぼ一致する結果となった。
Intelの経営幹部は、四半期報告書の発表後に行ったアナリストとのカンファレンスコールにおいて、「2013年の当社の業績は、主にコンピューティング市場における革新的なフォームファクタによってけん引されると期待している。例えば、当社が推進してきたUltrabookや、コンバーチブル式のタブレット型PC、タブレット端末、タッチ機能搭載ノートPCなどが挙げられる」と述べている。また、同幹部は、Intelのスマートフォン向けチップの売上高がごくわずにとどまっており、デザインウィンの獲得を増やすべきだということも認めた。
Intelで長年にわたりCEO(最高経営責任者)を務めてきたPaul Otellini氏は、2013年5月に退任することを発表している(関連記事:IntelのCEO交代まで1カ月、後継者は元幹部?)。Otellini氏は、現在のコンピューティング分野で進められている技術革新を高く評価している。とりわけ、台湾の機器メーカーに対する期待が大きいようだ。
IntelのCFO(最高財務責任者)を務めるStacy Smith氏は、「Intelは今後も、スマートフォン市場やタブレット市場において前進していくだろう。2013年第1四半期におけるタブレット端末の世界出荷数量は、前期比で約2倍に増加している。2013年第2四半期には、さらにその倍に増加すると見込んでいる」と述べる。
Intelは2013年後半に、Atomベースの次世代SoC(System on Chip)「Bay Trail」を発表する予定だ。Smith氏は、「Bay Trailの投入により、当社の製品ラインアップを拡充し、さまざまな画面サイズや価格帯のタブレット端末に対応できるようになる」と主張した。
「2013年のホリデーシーズンに向けて、販売価格が600米ドルを下回るUltrabookを投入する。長期的に見れば、Ultrabookの普及を促進する極めて重要なマイルストーンになるだろう」(Smith氏)。
項目 | 2013年Q1 | 2012年Q4 | 2012年Q1 | 対2012年Q4比 | 対2012年Q1比 |
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売上高 | 126億 | 135億 | 130億 | −7% | −2% |
営業利益 | 25億 | 32億 | 38億 | −20% | −34% |
純利益 | 20億 | 25億 | 27億 | −17% | −25% |
1株当たり利益 | 0.40 | 0.48 | 0.53 | −17% | −25% |
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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