ラムバスが独自に開発した技術を、製品まで落とし込んだのがLED電球である。第1弾となる「A19」は、白熱電球の光質と配光を保ちながら、消費電力を約1/4に削減し、電球寿命は最大25倍とした。このLED電球では大きく3つの技術を開発した。1つ目が「MicroLens」と呼ぶ光学技術で、電球内にシリンダ状のライトガイドを設けたことで、球状の安定した明るさを確保した。2つ目が「TruEdge」技術で、ライトガイドへ入光する際の効率を高めることで、最小のLED光源数で明るさを実現する。3つ目が「SolidCore」と呼ぶリフレクタ技術である。これは、LEDスポット径を小さく作る技術である。LED電球の製品としてはA19 とPAR型を開発しているが、室内の雰囲気に合わせて色温度を制御できるタイプも開発中である。
新たな事業戦略分野として開発しているのが「バイナリピクセル」技術を使ったイメージセンサーだ。既にテストチップの開発も完了している。仕様の詳細は明らかにされていないが、時空間変動オーバーサンプリング方式により、現行のモバイル用イメージセンサー品に比べてダイナミックレンジを大幅に拡大した。これまで「白とび」や「黒潰れ」していた部分も表示できるようになったという。従来のイメージセンサーでは、ダイナミックレンジを拡大するために複数枚撮影し、それを後で合成処理する方法がとられている。この方法だと、動画撮影には適用できなかった。また、低照度時の感度を改善したことで、暗い場所でもノイズの影響を小さくできるという。さらに、従来のSoC技術との統合も容易とする。
なお、イメージセンサーの事業展開について同社は、「製品として早期に市場へ投入したい。そのためには技術ライセンスやパートナーと一緒になってチップを製品化する方法もあれば、大手サプライヤに対し、独占的にIPを提供することも考えられる」と述べ、さまざまな可能性を追求していく方針である。
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