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「HMCが今後のトレンドに」――マイクロンの技術者が語るメモリ/ストレージ技術(2/2 ページ)

» 2014年02月04日 11時08分 公開
[Rick Merritt,EE Times]
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 Pawlowski氏は、DRAMの後継技術について、「優れた点はいろいろとある」としながらも、「最終的にどの技術が生き残るのか、またその時期については分からない。代替技術の数は、かつてないほど減少している」との見解を示した。

 Micronは以前に、スピン注入型MRAMと相変化メモリ(PCM)を開発中であることを明らかにしている。同氏によると、「現在、PCMについては少量生産の段階にあるが、DRAMやNAND型フラッシュメモリの代替として適しているとは言えない。それなりの役割は担っているものの、それ以上にはなれないだろう」と述べる。

 Micronの技術者たちの間では、DRAMの代替技術が必要となる時期について、その見解がさまざまに異なるという。早くて2015年という意見もあれば、そのような時期は永遠に来ないとする見方もあるようだ。

並列処理アクセラレータ

 Pawlowski氏は、Micronが2013年11月に発表したDDR3メモリモジュール形状の並列処理アクセラレータ「Automata Processor(AP)」についても詳細を説明した。同氏によると、APは一種のステートマシン(状態機械)だが、より正確に言うなら“非決定性有限AP”のようなものだと説明する。ネットワークセキュリティや生物情報科学(バイオインフォマティクス)などのさまざまな分野において、既存のCPUやGPU、FPGAなどでは対応不可能な極めて複雑な問題を解決できる可能性があるという。このため、APがターゲットとする市場規模は非常に大きいといえる。Micronは現在、自社のDRAM工場で生産した改良版のデバックを行っているところで、2014年4月にはサンプル出荷を開始できる見込みだとしている。

理論的には、大規模なコンピュータクラスタでもなかなか答えが出せなかったものが、1枚のAPカードで即座に解決できるようになるという

 2014年6月までには、4種類のAP開発ツールを発表する予定だ。セキュリティアプリケーション向けに正規表現を記述するためのツールや、スクリプト言語としてPythonを使用するツール、生物情報科学分野の開発者に向けた視覚化ツールなどがある。

 Micronは、PCI Express(PCIe)ボードをベースとし、48個のプロセッサを搭載可能な、ハードウェア開発者向けキットも発表している。DIMMをはじめとする各種メモリカードでAPを利用できるようにするための研究開発も進めている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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