2013年のファブレス半導体企業は、多くが成長を遂げた。中でも中国・台湾企業の成長が目立っている。一方で、ファブレス半導体メーカー間で買収が進み、2014年にはランキングから名前が消えるとみられるメーカーも複数ある。
米国の市場調査会社IC Insightsがまとめたファブレス半導体企業のトップ25社ランキングで、最も急速に成長している8社のうち5社が中国もしくは台湾の企業だった。
中国のSpreadtrum Communicationsが前年比成長率48%で首位、その後に台湾のMediaTek、米国のQualcomm、ドイツのDialog Semiconductorが続く。これら4社はすべて、民生用モバイル機器市場に重点的に取り組んでいる。
2013年のファブレス半導体市場全体の売上高は779億1000万米ドルで、2012年の721億1000万米ドルから8%増加した。ファブレス分野は半導体市場全体の年間成長率(4〜5%)よりも高い成長率を遂げたことになる。トップ25社の売上高成長率は12%だったが、25社以外の企業の売上高合計は前年比で5%減少した。
2013年のファブレス半導体企業トップ25社のうち、14社が米国、5社が台湾、2社が中国、1社が欧州、1社が日本、残りの1社がシンガポールにそれぞれ拠点を置いている。
2013年の売上高が10億米ドルを超えたのは14社で、2012年の数と同じだった。2013年のトップ25社の売上高合計は、ファブレス半導体企業の売上高全体の81%を占めている。
25社以外のファブレス半導体企業の売上高は前年比で5%減少した。これは主に、次に挙げる3件の買収と1件の撤退によるものである。
メガチップスは日本企業として唯一、ファブレス半導体企業のトップ25社ランキングに入った。IC Insightsは、台湾や中国でIC設計を手掛ける企業が発展し続けるのに伴い、ファブレス半導体企業のランキングの上位に食い込む台湾・中国企業の数は増えると予測している。
なお、2014年のランキングでは、今回のランキングに入った企業のうち2社が消えるとみられる。Avago TechnologiesがLSI Corporationの買収を、MediaTekがMStarの買収を発表しているからだ(関連記事:アバゴがLSI社を66億ドルで買収へ)。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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