メディア

次世代電池特集

小型のモバイル機器から自動車まで、さまざまな電子機器に搭載されるバッテリー。機器を駆動する要の部分であるだけでなく、安全性にも関わるバッテリーの分野では現在、新たな原理や材料、構造を採用する「次世代電池」の研究開発が加速している。本特集では、バッテリー関連技術の最新情報をお届けする。

Top Story

EV用バッテリー工場の建設を再開:

Ford Motorは、中国のEV向け電池メーカーのCATLと協業し、米国ミシガン州に電池製造のためのギガファクトリーを建設中だ。ただ、米中ハイテク戦争が続く中、この協業は物議をかもしている。

(2023年12月4日)
アルカリイオン二次電池の容量増大:

産業技術総合研究所(産総研)と大阪大学、東京工芸大学、九州大学および、台湾国立清華大学の研究グループは、グラフェンの層間にアルカリ金属を高い密度で挿入する技術を開発した。電極材料としてアルカリ金属を2層に挿入したグラフェンを積層して用いれば、アルカリイオン二次電池の大容量化が可能になるという。

(2024年1月30日)

新製品

欧州バッテリー規則にも対応:

フランスの小型電池メーカーITEN(アイテン)は、「EdgeTech+ 2023」(2023年11月15〜17日/パシフィコ横浜)に出展し、超小型の全固体電池を展示した。長寿命が特長で、75% DOD(放電震度)で2000サイクル使用できるという。

(2023年11月17日)
33.66%の変換効率を達成:

シャープは、新構造の化合物・シリコン積層型太陽電池モジュールを開発し、33.66%という世界最高の変換効率を達成した。化合物2接合型セルの厚みは、従来の化合物3接合型セルに比べ3分の1以下に薄くできるという。

(2023年11月1日)
伝統工芸とコラボした太陽電池も展示:

太陽誘電は「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日/幕張メッセ)に出展し、チップ型の全固体電池を展示した。独自開発の正極材/負極材の改良によって、容量密度は50mAh/cm3超を実現した。

(2023年10月31日)
デザイン性と発電効率を両立:

パナソニック ホールディングスは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日)に出展し、ガラス建材一体型 ペロブスカイト太陽電池を展示した。発電効率は最大17.9%で「従来の結晶シリコン系の太陽電池と同等の発電効率だ」(同社)という。「CEATEC AWARD 2023」のデバイス部門で準グランプリを受賞した技術だ。

(2023年10月24日)
硫化物系電解質を使用:

マクセルは「SENSOR EXPO JAPAN 2023」にて、硫化物系電解質を使用した全固体電池を展示した。長寿命かつ高耐熱が特長なので、点検しにくい場所や過酷な環境下にあるインフラ設備のモニタリング/異常検知に貢献するという。また、酸化物系全固体電池と比べて高容量で最大放電電流が大きいという。【訂正あり】

(2023年9月28日)
マクセルとロームグループが開発:

マクセルは、全固体電池を用いたエナジーハーベスト対応の評価用キットを、ロームグループと共同で開発した。太陽光や室内照明を利用した電源システムの開発と評価を迅速に行うことができる。

(2023年7月31日)

研究開発

活物質にPBA NP、導電助剤にSWNT:

山形大学と関西学院大学は、高速で充放電可能な二次電池を実現するための「新しい正極構造」を開発した。電気自動車やドローン向け電源や非常用電源などへの応用が期待される。

(2024年1月18日)
副反応のガス発生を抑制:

東芝は、コバルト不使用の5V級高電位正極材料を用いて、新しいリチウムイオン二次電池を開発した。2028年の実用化を目指す。

(2023年12月26日)
自動車やドローンに適用可能:

ポーライトと産業技術総合研究所(産総研)は、多孔質ステンレス鋼基板を支持体とする「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」を開発した。従来に比べ機械強度を高めたことで、自動車やドローンなどモビリティへの搭載が可能となる。

(2023年12月25日)
フレキシブル電池の耐久性を向上:

東京大学は、硬さと丈夫さを両立させた「電池用ゲル電解質」を開発した。肌や服に貼り付け可能なフレキシブル電池向け電解質材料としての応用に期待する。

(2023年12月5日)
蓄電池材料を低温かつ短時間で合成:

北海道大学と神戸大学の研究グループは、リチウムイオン電池の正極活物質に用いられる「層状コバルト酸リチウム」を、低温かつ短時間で合成できる手法を開発した。

(2023年11月20日)
高価なコバルトを用いずに実現:

東京大学は、高価なコバルトを用いずに、エネルギー密度が従来比1.6倍となる「リチウムイオン電池」を開発、安定動作に成功した。

(2023年10月26日)
正極向けに多孔質グラフェン開発:

筑波大学は、安価で入手しやすい材料を用いながら、高い電池性能を発揮する全固体マグネシウム空気一次電池を開発した。多孔質グラフェンとマグネシウムを電極に用い、さらに電解液を固体化することで実現した。

(2023年10月20日)
微量の不純物添加で性能を最大化:

鳥取大学の研究グループは、化粧品などに用いられている「酸化チタン」を改良すれば、次世代蓄電池の負極材料に適用できることを確認した。

(2023年10月17日)
70%超の発電効率も実現可能に:

横浜国立大学と産業技術総合研究所(産総研)および、宮崎大学の研究グループは、プロトン伝導セラミック燃料電池(PCFC)の内部短絡を抑えることで、発電性能を大幅に向上させた。実験データを再現できる計算モデルも構築した。

(2023年10月13日)
効率は太陽電池18.2%、LED15.2cd/A:

東京大学は、電源を内蔵し超薄型で変換効率が高い「ペロブスカイト光脈波センサー」を、スイス連邦工科大学と共同で開発した。室内光レベルの光量環境でも、ペロブスカイトLEDを駆動できる発電が可能だという。

(2023年10月10日)
化合物に触媒技術を応用:

産業技術総合研究所(産総研)は、触媒により二酸化炭素を活物質化し、これを利用した「レドックスフロー電池」を、京都大学と共同で開発した。さまざまな化合物に触媒技術を応用すれば、新たな材料開発につながる可能性が高いとみている。

(2023年10月6日)
ソフトバンクとEnpower Japan:

ソフトバンクとEnpower Japanは、リチウム金属負極を用いた全固体電池セルで、重量エネルギー密度を300Wh/kgまで向上させることに成功した。

(2023年8月25日)

市場/設備投資

2035年には3614GWhの予測も:

車載用リチウムイオン電池(LiB)の世界市場は、2025年に容量ベースで約1000GWhとなる。矢野経済研究所が予測した。

(2024年1月9日)
世界標準の技術開発を目指す:

トヨタ自動車と出光興産は2023年10月12日、全固体電池の量産化に必要な硫化物固体電解質の開発やサプライチェーン構築に向けて協業を発表した。全固体電池の実用化は、2027〜2028年を目指している。

(2023年10月19日)
X線顕微鏡で非破壊観測:

東北大学、名古屋大学、ファインセラミックスセンター、高輝度光科学研究センターらの研究グループは2023年8月4日、充放電中の薄膜型全固体電池における化学状態変化を“丸ごと”可視化することに成功したと発表した。

(2023年8月21日)
シリコンアノードを開発:

シリコンアノードを用いた高エネルギー密度バッテリーを手掛ける米国のAmpriusは、2025年に工場の稼働を開始する。数年以内には、同社製バッテリーが空飛ぶクルマに搭載可能になる見込みだという。

(2023年6月13日)
需要拡大に備える:

ホンダとGSユアサが合弁会社「Honda・GS Yuasa EV Battery R&D」を設立する。リチウムイオン電池(LiB)の研究開発のほか、主要原材料のサプライチェーンと効率的な生産システムの構築を目指す。

(2023年5月16日)
電池の需要増で環境対策が急務:

電気自動車(EV)の普及に伴い、リチウムイオンバッテリーの需要も増加している中、電池の製造に関連する環境対策は急務になっている。オーストラリアのスタートアップNovalith Technologiesは、リチウムイオン電池製造が直面する課題解決の一端を担う技術を手掛けている。

(2023年4月26日)
EVでも喫緊の課題だが:

EV市場は堅調な成長が予測されているが、バッテリーのリサイクルが大きな課題になりつつある。

(2023年3月31日)
富士経済が世界市場規模を予測:

世界の全固体電池市場は、2022年見込みの60億円に対し、2040年には3兆8605億円規模に拡大する。富士経済が予測した。

(2022年11月25日)

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.