グラフェンは、炭素原子だけで構成された物質で、六角形がシート状につながったような構造を持つ。剛性と導電率が最も高い物質とされており、導電性インクの他、次世代シリコンCMOSの次を担う半導体製造プロセスにおいて、電子移動度の高い層を形成するためにも利用できると考えられている。
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一部の専門家は、次世代の不揮発性メモリとして最も有力なのは、メモリセルをシリコン表面に対して垂直方向に形成したNAND型フラッシュメモリだという。だが、その方式のメモリはコスト面で課題が残るため、磁気抵抗変化メモリ(MRAM)や相変化メモリ(PCM)、抵抗変化メモリ(ReRAMもしくはRRAM)の研究も続いている。これらのメモリにはそれぞれ違った特性や制限があり、最適な用途や潜在的なアプリケーションはまだ不明確だ。そのため、どれが次世代の不揮発性メモリとして普及するかはまだ分からない。
次世代メモリにはこの他、Hewlett-Packard(HP)が製品化を進めるメモリスタがある。抵抗、コンデンサ、インダクタに続く“第4の回路素子”として知られるメモリスタだが、このメモリスタという用語そのものは、「メモリ効果がある2端子の可変抵抗」であれば何にでも適用できる。例えば、強誘電性ポリマーを用いたメモリも、メモリスタの1つといえる。
次世代不揮発性メモリに関しては、多くの研究や開発、議論があり、2012年も引き続き目が離せない。
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マイクロプロセッサは、多くのICの中でも最も輝かしい成果物の1つであるといわれている。だが、今後は少なからず障壁にぶつかることになりそうだ。マルチコアからメニーコアに移行するには、微細化だけでは不十分であることは知られている。そこで、OpenCLなどのプログラミング言語や開発環境の整備の他、高性能プロセッサと低消費電力のプロセッサを組み合わせるARMの新技術「big.LITTLE」の汎用化などが進められている。
IntelとAMDは過去20年間にわたりプロセッサの性能を競ってきたが、戦いの舞台は現在、低消費電力化に移っている。2012年には、このバトルに、より多くの企業が参戦すると予想される。
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