先週、CESの開幕に先立って開かれたオープニングセレモニーで講演したIntelのMooly Eden氏は、「タッチパネルを利用したユーザーインタフェースは現代の機器にとって重要な機能だが、ハードウェアキーボードとの組み合わせが不可欠」との認識を示した。
「Ultrabook」は、ユーザーの要望に応えるべく、タッチパネルやNFC(Near Field Communication)、マルチメディアAPI「DirectX 11」、音声認識、スマートフォンのようなプレビューパネルに至るまで、あらゆる新機能を搭載するようになる――。IntelのPCクライアントグループ担当ゼネラルマネジャーを務めるMooly Eden氏は、米国ネバダ州ラスベガスで開催された消費者向けエレクトロニクスの総合展示会「2012 International CES」(2012年1月10〜13日)で、開幕に先立って現地で1月9日に開催されたオープニングセレモニーで講演し、このように語った。Ultrabookは、同社が主導的に推進する軽量・低消費電力のノートPCである。
この講演の中でEden氏は、2012年に新製品として順次投入される75機種以上のUltrabookに同社のプロセッサの採用が決まっていると述べた。そして2012年末までには、「タブレットPCライクな機能を搭載し、さらに高度化したモデルが登場する予定だ」と語った。
同氏は、タッチパネルを搭載したモデルを操作して見せながら、「タッチ機能は、今の時代の機器にとって重要な機能である。しかしハードキーボードのように、生産性を確保するための機能と組み合わせることが不可欠だ」と主張した。
同氏によると、初期段階で実施したユーザーテストやフォーカスグループ形式のヒアリング調査の結果によると、ユーザーは、写真の閲覧や編集など一部の作業においてタッチスクリーン機能を必要とするが、真の生産性を確保するためには、ハードキーボードを手放したくないと考えていることが明らかになったという。
Eden氏は、PCとタブレットの両方のメリットを確保したいユーザー向けとして、スライド式の新モデルを披露した。このUltrabook/タブレットのハイブリッドモデルは、ユーザーの必要に応じて、ノートPCまたはタブレットとして使用形態を容易に切り替えることができる。
これまでに提案されてきたハイブリッド型タブレットPCは、いまひとつ魅力に欠けていたが、この新たなデザインのハイブリッドモデルはスリムな筐体を実現し、ほんの数秒でモードを切り替えられる上、背面には便利なポップアウトポートを搭載している。
Intelはこの他にも、Ultrabook向けの新たなクイックプレビューパネル「Nikiski」について説明した。ただし、現時点ではまだ構想段階にあるという。筐体の外側からも画面を見ることができる透明なパネルを搭載することで、PCでもスマートフォンのように新着情報を素早く確認できるようにする。PCを閉じた状態でも、受信メッセージを確認することが可能だ。
このクイックプレビューパネルは、Windows 8の「Metro UI」を採用しており、従来のアイコンとは異なる“タイル”で表示される通知情報を、開いたり閉じたりできる。
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