アナログIC市場は今後数年間、堅調に伸びると予想されている。同市場の成長を後押しするのは、携帯電話をはじめとするモバイル機器だ。
米国の市場調査会社であるDatabeansによると、2012年の全世界のアナログIC市場の売上高は、2011年比で3%増となる438億米ドル規模に達する見込みだという。
同社によると、特定用途向けアナログIC製品市場の売上高は、2011年には約252億米ドルだったが、2012年には260億米ドルに達するとみられる。また、同市場は今後5年の間に、年平均成長率8%で拡大し続ける見込みだという。
また、汎用アナログIC市場の売上高は、2011年の171億米ドルから、2012年は175億米ドルへと微増にとどまる見込みだ。Databeansの予測によると、汎用アナログIC市場は今後5年の間に、特定用途向けアナログIC市場を上回る速さで成長し続けるとみられている。
全世界のアナログ半導体市場は2016年までに、600億米ドルを上回る規模に成長する見込みだ。
Databeansによると、今後5年間で特に著しい成長が見込まれるのは、通信分野と民生機器分野だという。携帯電話をはじめ、モバイル機器の需要が高いことや、アジア太平洋地域において製造分野の消費量が増大していることなどが、市場をけん引する要因となるようだ。アジア太平洋地域は今後、世界アナログIC市場におけるシェアを拡大し続けていくとみられる。ただしその成長は、特に米国の製造拠点が国外に移行し続けていることなどからも、他の地域の成長を犠牲にした上で成し遂げられるようだ。
Databeansによると、アナログIC市場は今後も、半導体業界全体の中で最も多様性と収益性に優れた市場の1つとなる見込みだ。ASSPが売上高の大半を占める他、高性能パワー半導体やデータコンバータなどは、最も高い成長率で伸びるとみられる。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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