メディア

2012年のアナログIC市場は成長率3%で拡大、モバイル機器がけん引役にビジネスニュース 市場予測

アナログIC市場は今後数年間、堅調に伸びると予想されている。同市場の成長を後押しするのは、携帯電話をはじめとするモバイル機器だ。

» 2012年05月15日 10時55分 公開
[Dylan McGrath,EE Times]

 米国の市場調査会社であるDatabeansによると、2012年の全世界のアナログIC市場の売上高は、2011年比で3%増となる438億米ドル規模に達する見込みだという。

 同社によると、特定用途向けアナログIC製品市場の売上高は、2011年には約252億米ドルだったが、2012年には260億米ドルに達するとみられる。また、同市場は今後5年の間に、年平均成長率8%で拡大し続ける見込みだという。

世界アナログIC市場の成長予測 世界アナログIC市場の成長予測 緑の線は売上高(単位は百万米ドル)、青い線は出荷数(単位は百万個)、紫の線はASP(平均販売価格)である。 出典:Databeans

 また、汎用アナログIC市場の売上高は、2011年の171億米ドルから、2012年は175億米ドルへと微増にとどまる見込みだ。Databeansの予測によると、汎用アナログIC市場は今後5年の間に、特定用途向けアナログIC市場を上回る速さで成長し続けるとみられている。

 全世界のアナログ半導体市場は2016年までに、600億米ドルを上回る規模に成長する見込みだ。

 Databeansによると、今後5年間で特に著しい成長が見込まれるのは、通信分野と民生機器分野だという。携帯電話をはじめ、モバイル機器の需要が高いことや、アジア太平洋地域において製造分野の消費量が増大していることなどが、市場をけん引する要因となるようだ。アジア太平洋地域は今後、世界アナログIC市場におけるシェアを拡大し続けていくとみられる。ただしその成長は、特に米国の製造拠点が国外に移行し続けていることなどからも、他の地域の成長を犠牲にした上で成し遂げられるようだ。

2012年の世界アナログIC市場の分野別における売上高の割合 2012年の世界アナログIC市場の分野別における売上高の割合(予測) 出典:Databeans

 Databeansによると、アナログIC市場は今後も、半導体業界全体の中で最も多様性と収益性に優れた市場の1つとなる見込みだ。ASSPが売上高の大半を占める他、高性能パワー半導体やデータコンバータなどは、最も高い成長率で伸びるとみられる。

アナログICメーカーの売上高(百万米ドル)とシェア 2010年/2011年におけるアナログICメーカーの売上高(百万米ドル)とシェア 出典:Databeans

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.