低消費電力のワイヤレスモジュール市場は、堅調に成長し、2014年の売上高は14億米ドルに達する見込みだ。ワイヤレスモジュールは、設計や認証に関連するコストを減らせることから、幅広い用途で採用が進むとみられている。
市場情報の分析を手掛けるIHSが新たに発表したリポートによると、低消費電力のワイヤレスモジュールの世界市場は、2014年に2桁成長を遂げることになるという。ワイヤレスモジュールは、無線機能を迅速に実現するターンキー・ソリューションの要素だ。
低消費電力のワイヤレスモジュールは、ホームオートメーションや家電など幅広い用途に採用されることで、市場が拡大していくとみられている。
低消費電力ワイヤレスモジュールの2014年における世界売上高は、2013年の12億3000万米ドルに比べて14%増となる14億米ドルに達し、3年連続で2桁成長することが見込まれる。2015年も2桁成長が予想されているが、その後成長は緩やかになり、成長率は1桁台中盤から後半の数字に落ち着くという。
IHSのコネクティビティ部門で主席アナリストを務めるLee Ratliff氏は、低消費電力のワイヤレスモジュールは、ワイヤレスのエコシステムにおいて重要な役割を担うという。無線通信チップ、マイコン、メモリ、アンテナなどを小型で安価なパッケージに収めた、ターンキー・ソリューションを実現できるからだ。
同氏は、「モジュールは、RF設計や検証、認証に関連するコストを削減できるため、少量生産の用途でニーズが高い」と説明する。モジュールを利用することで、開発期間も短縮できる。
IHSのデータによると、最も急速に拡大する低消費電力ワイヤレスモジュール市場は、スポーツ/フィットネス向けで、今後数年間で49%もの年複利成長率(CAGR)で伸びるとみられている。その他、注目すべき重要な市場としては、家電(CAGRは36%)、自動車(32%)、住宅のオートメーション(30%)がある。
Bluetooth Smart、EnOcean、ZigBee RF4CEといった無線通信技術が堅調に成長していることも、低消費電力ワイヤレスモジュール市場の成長を後押しする要因となりそうだ。Ratliff氏は、「低消費電力ワイヤレスモジュールの採用が進むことで、無線の独自プロトコルの適用は減っていくだろう。2011年は、独自プロトコルを採用したワイヤレスモジュールが、モジュール全体の88%を占めていた。だが、2018年までにはそれが50%まで下がるとみられている」と述べている。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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