未来の住宅では、専用のタブレット端末を操作することで、デジタル化およびネットワーク化されたさまざまな種類のセンサーによるモニタリングが可能になるだろう。
LS Industrial Systemsが開発した家庭用ディスプレイ「LSMKE-D1」は、エネルギー消費量や二酸化炭素排出量などを追跡することができる。また、MP3プレーヤやデジタルフォトアルバムとして使ったり、天気予報にアクセスすることも可能だ。ZigBeeに対応しており、TIのZigBee対応無線チップ「CC2530」と2.4GHz帯のRFフロントエンドIC「CC2591」を搭載する。
EmberのZigBeeチップは、iControlが開発したソフトウェア「OpenHome」を備えるタブレット端末にも搭載されている。このiControlのソフトウェアは、セキュリティ管理やホームオートメーションシステム管理を提供する。ターゲット層として、宅内およびその周辺に向けてネットワーク範囲の拡大を目指すブロードバンドサービスプロバイダなどを見込む。
何の変哲もないサーモスタット(自動温度調節器)でさえも、さまざまな種類のWebブラウザからアクセス可能なネットワークデバイスとして機能することが可能になる。Appleで「iPod」の開発を手掛けたTony Fadell氏は、新しいチームを率いてNestを設立し、「Nest Learning Thermostat」を開発した。6つのセンサーを内蔵し、光や動作などを検知する。ARMの「Cortex-A8」をベースにしたTIのプロセッサチップ「Sitara」を搭載し、検出したパターンを基に冷暖房装置の使用を自動的に最適化できるという。宅内用無線LANネットワークおよびZigBeeネットワークの両方に接続可能だ。
Nokia Research Centerは、Bluetooth 4.0に準拠した「Location Extension(位置情報拡張)」プロトコルの開発に取り組んでいる。Nokia Researchが手掛けるのは、ショッピングモールや展示会場などの大型建造物内で位置情報を提供する技術の1つで、将来的には市販の無線LANチップに組み込まれるようになると期待されている。
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【翻訳:滝本麻貴、田中留美、EE Times Japan、編集:EE Times Japan】
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