スマートフォン市場で好調に売り上げを伸ばすSamsungは、英国の半導体ベンダーであるCSRから、携帯電話向けの接続技術や位置情報技術を買収することで合意した。
Samsung Electronicsは、英国の半導体ベンダーであるCSRの携帯電話向け接続技術と位置情報技術を3億1000万米ドルで買収することで合意したと発表した。Samsungはこの他、3440万米ドルを投じてCSRの公開株式の4.9%を取得することも発表している。
この契約によって、CSRは今後、車載インフォテインメント、屋内位置情報サービス、Bluetooth Smart(Bluetooth Low Energy)、イメージングといった、より収益性が高く成長が期待できる事業分野に注力できることになる。
CSRは、Cambridge Consultantsからスピンオフして、Cambridge Silicon Radioとして1998年に操業を開始した。同社は、今回の契約によって、Samsungから獲得した資金のうち2億8500万米ドルを、株式公開買い付けを通じて株主に還元する計画だという。買収取引は2012年第4四半期に完了する見込みである。
同契約の下、携帯電話向け接続技術と位置情報技術の開発部門に在籍するCSRの従業員310人と、関連する知的所有権は、Samsungに移される。ただし、CSRが現在販売している携帯電話向け製品に関連した収益は移管されない。
なお、CSRは今後も、Wi-Fi/Bluetoothコンボチップ「CSR9800」など、同社が開発した接続技術と位置情報技術を、携帯電話機やモバイル機器以外の分野にも利用できる権利を保有する。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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