UMCは、コスト削減の一環として、千葉県にある製造工場を閉鎖すると発表した。
台湾の半導体ファウンドリであるUMC(United Microelectronics Corporation)は2012年8月21日、マクロ経済の低迷と顧客需要の減少を理由に、コスト削減の一環として日本にある同社の生産工場(200mmウエハー対応)を閉鎖すると発表した。
UMCは台湾証券取引所に対する申し立ての中で、「マクロ経済の状況や半導体業界を取り巻く環境の急速な変化、顧客需要の減少、さらには日本で2011年に発生した地震によるエネルギー供給の不安定が続いているといった要因により、半導体メーカーは、日本での生産能力を縮小したり、日本から撤退したりする傾向がある。こうしたトレンドに沿う形で、UMCJ(UMC Japan)の閉鎖を決定した。UMCJは、コストの削減や売り上げの達成がうまくいっていなかった。今回、日本の工場を閉鎖することで、UMCは事業の統合や資源の利用効率の改善、事業コストの削減に取り組むことができるようになる」と述べている。
UMCは、千葉県館山市にある製造施設の稼働を、最終受注分の製造を完了したあとに停止するという。将来的には会社を解散し、資産を清算する計画である。
UMCJはもともと、新日本製鐵のLSI生産事業である日鉄セミコンダクターとして設立された。1998年にUMCが日鉄セミコンダクターの株式の過半数を取得したあとに、社名をUMCJに変更している。UMCは2009年に残りの株式を取得し、UMCJを100%子会社とした。
UMCによると、主に台湾の製造施設を通じて日本の顧客へのサービスを提供し続けるという。
UMCJは、200mmウエハー換算で月2万枚の生産能力を持つ。UMCによれば、2012年6月30日の時点で、UMCJの総資産は168億円、負債は28億円だった。また、2012年上期の収益は37億円、純損失は16億円だという。
UMCは2012年7月、同社の株式の最大10%を戦略的パートナーまたは提携先に売却すると発表した。ファウンドリ業界では、UMCは長年、TSMCに次ぐ二番手の地位についている。しかし、2012年は売上高でGLOBALFOUNDRIESに抜かれ、第3位に順位を落とす見込みだという。
【翻訳:米盛章弘、編集:EE Times Japan】
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