積極的に設備投資を進めるTSMCは、「Fab 14」の第5フェーズの建設に着工した。20nmプロセス技術に対応し、300mmウエハーを製造する生産施設となる。同フェーズの施設では、2014年初頭に量産を開始する予定だという。
半導体ファウンドリ大手のTSMCは、台湾の台南市にある「South Taiwan Science Park」において、ウエハー製造施設「Fab 14」の第5フェーズの着工式を行った。
この施設は、TSMCにとって、20nmプロセスに対応する2つ目の製造拠点となる。2014年初頭には量産を開始する予定だという。ちなみに、20nmプロセスに対応する1つ目の製造拠点は、台湾の新竹市にある「Fab 12」の第6フェーズで、2013年に稼働を開始する見込みだ。また、Fab 14は、300mmウエハー製造施設としても、Fab 12に続き2つ目の拠点となる。
Fab 14の第5フェーズは、今後建設する予定となっている第6フェーズに統合される計画で、統合後のクリーンルームの総面積は、8万7000m2(平方メートル)に及ぶ。これは、サッカー競技場11個分以上、あるいは、標準的な300mmウエハー製造施設の4倍に相当するという。
TSMCは、Fab 14の第5フェーズの建設費用については明らかにしていないが、同社は2012年における設備投資費の見込みを60億米ドルとしている。
Fab 14の第1フェーズにおける量産は、2004年に開始された。Fab 12の第1〜4フェーズは既に稼働しており、生産能力は55万枚/四半期(年間で220万枚に相当)である。Fab 12で製造するウエハーは、年間で60億米ドルの売り上げに貢献しているので、ウエハー1枚の価格は3000米ドル近くになる。
Fab 14の第5フェーズと第6フェーズを合わせた生産能力は、Fab 12の第1〜4フェーズの生産能力のおよそ2倍に相当する見込みだ。Fab 14では現在、4600人の従業員が働いているが、TSMCは、「施設の拡張により、さらに4500人を雇用する」と追加した。
TSMCでチェアマン兼CEO(最高経営責任者)を務めるMorris Chang氏は、「当社は今後も台湾における投資を継続し、技術リーダーシップ、卓越した製造能力、顧客の信頼の3つに注力していく。われわれの使命は、ロジックICの世界市場において、今後も信頼できる技術と生産能力を提供し続けることだ。この使命を果たすために、TSMCと台湾の世界半導体市場での不可欠な地位をさらに確実なものにしていく。Fab 14の第5フェーズの着工は、最先端技術の開発や、高度な生産能力の構築、顧客需要の充足といった観点でTSMCの能力を示すものである他、次の成長の基盤を築くものでもある」と述べた
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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