2013年に創立30周年を迎えたAdvantech。産業用PCメーカーとして台湾から世界市場へ進出した同社は、今後15年間の成長の鍵としてモノのインターネット(IoT)とクラウドサービスを挙げる。
台湾Advantechの最初の事業は、キッチンの中でATS(自動テストシステム)を開発することから始まった。1983年に創立して以来、産業用PCや、「ADAM-4000」シリーズといった産業用データ収集I/Oモジュールなどを開発するとともに、世界市場に積極的に進出してきた。現在は、20カ国91都市に拠点を構え、2011年における産業用PCの世界シェアは26%を達成している。
Advantechの日本法人であるアドバンテックが、今後15年間の成長の鍵として挙げるのが、モノのインターネット(IoT)とクラウドコンピューティングだ。アドバンテックは、IoTとクラウドコンピューティングで構築されるシステムを「インテリジェント・プラネット」と呼んでいる。あらゆる機器をインターネットで接続し、そこから収集したデータをクラウドに吸い上げて、必要な情報を引き出す仕組みだ。
アドバンテックのプレジデントを務めるマイク小池氏は、「FA(ファクトリーオートメーション)の分野であれば、工場の湿度や温度といったデータを一定間隔で測定し、その結果をクラウドに自動的に吸い上げ、目的に応じて解析を行う用途が考えられる。自動販売機ならば、売れた製品などのデータをクラウドにアップして瞬時にPOS(Point of Sales)データを作成することが可能だ。IoTとクラウドの利用が民生機器だけでなく産業用途まで広がれば、非常に大きな市場規模になるとみている。当社は、さまざまなデータをクラウドを介してシームレスに利用するためのハードウェアやソフトウェアを提供することに注力していく」と語る。
同社は、ボードコンピュータやネットワークアプライアンスなど、さまざまな産業向け製品を、要求された仕様に合わせて設計/製造するDMS(設計/製造サービス)事業を、今後大きな成長が見込める分野として、力を入れていく。2013年には中国の昆山(クンシャン)に設計センターを設立、さらに現在、台湾に新しい製造拠点を建設中で、こちらは2014年に稼働を開始する予定だという。加えて、国内のチャネルパートナー(販売代理店)の数を増やしていく。
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