会場では、沖情報システムも2つの基盤技術を紹介した。「ハイビジョン映像の伝送プラットフォーム」と「ビデオアクセラレーションプラットフォーム」である。いずれも回路基板上にはZynq-7000 All Programmable SoCが実装されている。ハイビジョン映像の伝送プラットフォームでは、Zynq-7000 All Programmable SoCのPL部に、シキノハイテックが開発したJPEGエンコーダのIPコアや、ビデオキャプチャー用にXylon製のビデオアクセラレーションIPが実装されている。これらの処理をハードウェアで実行することにより、CPUコアの負荷を軽減させることができる。
説明員によれば、「ハイビジョンカメラで撮影した映像をHDMI(High-Definition Multimedia Interface)経由で取り込み、Zynq-7000 All Programmable SoCでJPEGに圧縮/変換する。これによって、データ量が大きいハイビジョン映像でも、Wi-Fi通信や3G通信などの無線通信で伝送することが可能となる。受信機側のディスプレイに合わせて、画像サイズの異なる映像を複数の受信機へ同時に送ることもできる」という。同製品は、マシンビジョンや各種産業機器、医療機器などの用途に向ける。
他方のビデオアクセラレーションプラットフォームは、2台のハイビジョンカメラで撮影した別々の映像をシステムに取り込む。そして、回路基板上のZynq-7000 All Programmable SoCで、2つの映像の重ね合わせや回転、拡大/縮小、キーカラー透過、アルファブレンディングなどの演算処理を行い、表示用の映像を出力する。これらの画像処理はZynq-7000 All Programmable SoCに搭載されたXylon製のビデオアクセラレーションIPが高速に実行する。同製品はデジタルサイネージ(電子看板)などの用途に向ける。
この他、会場ではマイクロソフトの代理店でもある東京エレクトロン デバイスが、Zynq-7000 All Programmable SoC向けの「Windows Embedded Compact BSP」をパネルで紹介した。これ以外にも、OS関連ではウインドリバーが「VxWorks」、イーソルはマルチコアプロセッサ対応の「T-Kernel」、リネオソリューションズは「組込みLinux」、グレープシステムは「ThreadX」などをアピール。開発環境では横河ディジタルコンピュータやIARシステムズ、京都マイクロコンピュータなどがZynq-7000 All Programmable SoC向け製品を紹介した。
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