Samsungは、NAND型フラッシュメモリやDRAMからプロセッサまで幅広い製品を手掛けるメーカーだ。3Dスタックの技術についてもある程度用意できている。
同社は、米国カリフォルニア州で開催された「ARM TechCon 2013」(2013年10月29〜31日)において、3Dスタックを用いたメモリの他、メモリインタフェース「Wide I/O」に対応するプロセッサ「Exynos」のデモを披露して参加者を驚かせた。既存のスマートフォン向けSoC/メモリと比べて、消費電力量を大幅に低減することが可能だという。しかし同社は、実際に製品化を予定しているのか、またはその時期などについては、明らかにしていない。
TSVによる“真の”3Dスタックを実現するには、スマートフォンSoC向けにロジックとメモリを接続する方法など、問題がいくつかある。例えば、放熱の問題もあるし、TSVを配置するためのEDAツールやスキルも未完成の状態にある。
一方で、今回のパネルディスカッションに参加していたベテランのエンジニアが提供したデータには、誰もが驚いた。そのエンジニアは、Appleの「iPhone 5s」のメインプロセッサ「A7」を分解した担当者であり、A7では極めてシンプルな6層のボードが使われ、シグナル2層、グラウンド2層、シグナル2層という構造が採用されていることを明らかにした。メモリは、この簡素なボードの反対側に搭載されていることが分かった。
同エンジニアの分解結果から、Appleが3Dチップを低コストで実現する手法を見つけ出したことが分かる。
Apple対Samsung、TSMC対GLOBALFOUNDRIES、Micron対SK Hynixのそれぞれの動きに注目したい。
【翻訳:青山麻由子、田中留美、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.