ブロードコムが自社開発したGNSSチップアーキテクチャは、GPS、GLONASS、QZSS、SBAS、北斗といった主要なGNSSから、同時に信号を受信することが可能だという。同社はこの特徴によって競合他社との差別化を狙う考えだ。このアーキテクチャを採用すれば、各GNSS向けにチップを再設定する必要がなくなるという。
ブロードコムのアーキテクチャが備えるトライバンドチューナを搭載することにより、現在利用可能な88個の衛星からの測位情報に基づき、高い精度で位置情報データを計算することが可能になる。
一方、クアルコムのプロセッサ「Snapdragon」は、GPUやDSP、ベースバンドの他、クアルコムが独自開発したGNSS位置情報技術も搭載している。
クアルコムは一例として、サムスンの「GALAXY Note 3」においてSnapdragonが採用されていることを取り上げた。「ただしサムスンは、GALAXY Note 3のバージョンごとに、異なるチップを採用している。ブロードコムの旧世代GNSSチップを採用したバージョンもあれば、クアルコムのSnapdragonを採用したバージョンもある」(クアルコム)。
クアルコムは、「GALAXY Note 3*)は、『Snapdragon 800(MSM8974)』を搭載している。複数のGNSSから同時に信号を受信して、処理することができる位置情報プラットフォームを採用していることで、ユーザーがどのような環境にいても、優れた位置情報サービスを利用することが可能になる」と述べている。
*)WCDMAに対応した「SM-N9006」と、TD-LTEに対応した「SM-N9008V」。
これに対してブロードコムは、スマートフォンメーカーの中には、「クアルコムのSnapdragonのように、競合他社が既に使用しているプロセッサを自社のモバイル製品に採用したくないと考えるメーカーも、少なからず存在する」とみている。
ブロードコムのAwad氏は、「当社のGNSSチップは、他社メーカーのモバイルプラットフォームアーキテクチャと組み合わせることも可能だ。スマートフォンだけでなく、ウェアラブル機器やパーソナルメディアプレーヤー、パーソナルナビゲーションシステムなどの機器に幅広く利用することができる」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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