米国でアップルの「Worldwide Developers Conference(WWDC)2014」が開催中だ。基調講演では、「iOS 8」と「OS X Yosemite(OS X 10.10)」が発表された。OS X Yosemiteでは、検索機能が強化されている。
米国カリフォルニア州サンフランシスコでは、Appleが開発者向けカンファレンス「Worldwide Developers Conference(WWDC)2014」(2014年6月2〜6日)を開催している。
6月2日(米国時間)に行われた基調講演では、まずMac向けの「OS X 10.10 (開発コード名:Yosemite)」と「iPhone」「iPad」向けの「iOS 8」が発表された。今回発表された両OSは、相互の連携が強化された。一般向けのリリースに先だって開発者向けにβ版を配布し、業界でのポジション強化を狙う。一般ユーザー向けには2014年秋にリリースされる予定だ。
AppleのCEO(最高経営責任者)であるTim Cook氏は、25周年を迎えたWWDCの祝典で、Appleの開発者コミュニティーに対する感謝を述べた。同コミュニティーの会員数は2013年から50%増加し、現在900万人を超える。
Cook氏は、「Appleの8000万人のユーザーのうち51%が『OS X 10.9 Mavericks』をインストールした。これに対し、Microsoftの『Windows 8』にアップデートしたWindowsユーザーは、わずか14%だ」とMicrosoftとの差をアピールした。
さらに、Androidに対しても、「当社が中国で獲得した新規顧客は、AndroidからiOSへの乗り換え組が半数を占める。これらのユーザーは、Androidスマートフォンを購入したのは間違いだったと感じ、より快適なユーザー体験とスマートフォンライフを求めてiPhoneに乗り換えた。iOSユーザーの89%が最新のiOSを使っているのに対し、Androidユーザーのうち最新バージョンを使っているのはわずか9%だ」と述べた。
この数字は、新OSの導入を検討している開発者にとって重要だ。古いバージョンのOSのユーザーは、新しい技術をベースとした機能を利用できないからだ。
Appleでソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めるCraig Federighi氏は、「OS X 10.10のコードネームは、『WEED』という候補もあったが、Yosemiteに決定した」と述べる。
OS X 10.10は、ユーザーインタフェースをiOSに近い形に一新し、ダークモードを追加した。検索機能「Spotlight」の検索窓は、メニューに固定されていたが画面中央に表示される形に変わり、ローカル検索とネット検索が一度にできるようになった。Safariが高速化し、検索窓にSpotlight検索結果を統合できる。このように検索機能を強化することで、Googleの検索機能に対抗したい考えだ。
Yosemiteは、iOS、OS X、Windowsを問わずファイルの受け渡しができるクラウドストレージ「iCloud Drive」を搭載している。「Dropbox」のような機能である。ちなみに、前CEOのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏は「Dropboxは機能であって、製品ではない」と述べていたが、iCloud Driveはその言葉を実体化したようなものだ。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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