“第2の波”のきっかけとなったのは、AppleのiOSがBluetooth Smartをネイティブサポートしたことだ。さらに今回、GoogleのAndroid Lでも、「Bluetooth Smart」および「Bluetoothクラシック」の両方がネイティブでサポートされることになった。特に、最新仕様である「Bluetooth 4.1」に対応しているため、IPv6接続が強化されるとともに、常時接続のハブあるいはゲートウェイとしての機能を実現することができる(関連記事:Bluetooth 4.1の策定が完了)。この機能はスマートホームを構築するために必要とされるものである。これによって、外出先からスマートフォンを使い、Bluetooth技術で接続された家庭内にある大型テレビや照明システム、空調システム、セキュリティシステム、各種スイッチなどを制御することも可能となる。
Kroeter氏がBluetooth Smartの用途で期待できる市場として挙げるのが、「ビーコン」と「ウェアラブル機器」、「スマートホーム」である。ビーコンへの応用では、Appleの「iBeacon」がある。「iPhone」をはじめとするiOS端末に対応アプリをインストールしておき、ビーコンの電波を発信している店舗に近づいて受信可能な範囲に入れば、店舗の案内情報やクーポンを端末にダウンロードできる仕組みだ。この通信にBluetooth Smartが利用されている。なお、iBeaconのコア技術にはアプリックスの「MyBeacon」シリーズが使われているという。
ヘルスケア/フィットネス関連を中心としたウェアラブル機器では、Bluetooth Smartによる接続数が、2013年の3430万に対して、2018年には1億4200万に増加すると予測している。同様にスマートホーム機器における機器接続では、Bluetooth Smartの接続数が、540万から1億8150万に急増する見通しだ。こうしたことから、2013年から2018年までのBluetooth Smart搭載機器の年平均成長率は、スマートホーム向けが232%と大幅な拡大が続く見通しである。
Bluetooth Smartの普及見通しについてKroeter氏は、iOS端末の動向を事例に挙げる。「Bluetooth SmartをネイティブサポートしたiOS端末は、発売から12〜18カ月で大きく需要が拡大した。Android L搭載の携帯端末は2014年末より市場に投入される予定だが、これを機にBluetooth Smartの普及スピードは加速するだろう」と話す。
この他、CSRからメッシュ接続に関する技術提供の申し入れがあったことも明らかにした。「正式にCSRからの寄付が決まれば、規格化も視野に入れてメッシュ接続技術を評価していきたい」と語った。これまでは、プロセッサ側の制約などもあって、Bluetooth規格では接続数が最大8台となっていた。メッシュ機能を持つネットワーク上では4000接続まで可能になるという。
記者会見ではKroeter氏の他、Bluetooth SIGメンバーであるノルディックセミコンダクタのカントリーマネージャを務める山崎光男氏、シーエスアールのFAEディレクタを務める篠崎泰宏氏、ログバーの代表取締役を務める吉田卓郎氏らが、Bluetooth Smart対応のSoCや応用機器を紹介した。
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