トランスフォーム・ジャパンは、「CEATEC JAPAN 2014(CEATEC 2014)」において、耐圧600VのGaN(窒化ガリウム) HEMT(高電子移動度トランジスタ)と、GaN HEMT搭載の各種PFC評価ボードなどを展示した。
トランスフォーム・ジャパンは、「CEATEC JAPAN 2014(CEATEC 2014)」において、耐圧600VのGaN(窒化ガリウム) HEMT(高電子移動度トランジスタ)と、GaN HEMT搭載の各種PFC評価ボードなどを展示した。耐圧600VのGaN HEMTは現在、評価用のサンプル品を提供中で、2015年春より量産出荷を始める予定である。
トランスフォーム・ジャパンは、GaNパワー半導体を手掛けるTransphormの日本法人で、2014年2月に設立された。日本法人設立に先行して、2013年11月には富士通および子会社の富士通セミコンダクターが、GaNパワー半導体事業に関して、Transphormとの事業統合を行った。
同社が提供しているGaN HEMTのサンプル品は、耐圧600Vで、オン抵抗が290mΩの「TPH3002」、150mΩの「TPH3006」、63mΩの「TPH3205WS」などがある。パッケージはTO-220、PQFN、およびTO-247(TPH3205WS品)を用意している。「2015年春の量産開始に向けて、2014年末までにはチップの信頼性チェックを終えたい」(説明員)と話す。
GaN HEMTの用途拡大に向けて、同社が注力しているのが各種評価ボードの提供だ。今回は、PFCコントローラICとGaN HEMTを搭載した133kHz駆動のPFC評価ボード(出力は500W〜1kW)や、750kHz駆動のPFC評価ボード(出力は300W)などを紹介した。いずれも、200kHz駆動に変更して、異なる電源モジュールとの特性比較や製品評価を行うこともできる。
この他にも、最大99%の効率を実現する、出力1kWのブリッジレスPFC評価ボードや、PFCとLLCのブリッジ部に合計3個のGaN HEMTを搭載したPC向け一体型電源評価ボードなども用意している。このPC向け評価ボードは、スイッチング周波数が200kHzで、従来のシリコンMOSFET搭載品に比べて2〜3倍の高速駆動とした。形状は45%も削減でき、ピーク効率は95.4%を達成しているという。「効率が高いため放熱も少なく、実装部品の小型化が可能で、電源回路のサイズを小さくすることができる」(説明員)という。
ブースには、安川電機製のパワーコンディショナ―も展示した。両社で共同開発したGaN HEMTを搭載した製品である。GaN HEMTを搭載したことで変換効率を98%に高め、容積も10リットルと従来の6割程度に小型化できたという。
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