2015年第2四半期のQualcommの売上高は、前年比8%増となる69億米ドルだった。
QCTでは、Qualcommの携帯電話機向けチップセットである「MSM」シリーズは、出荷個数が2億3300万個、売上高が44億米ドルだった。QCTの営業利益率は17%だった。
同社の技術ライセンス部門(QTL)では、ライセンスの合計売上高は前年比14%増となる758億米ドルだった。
一方、2015年第3四半期に関しては、MSMの出荷個数が前期比6%減、前年比2%減となる2億1000万〜2億3000万個と予想している。
さらに、MSM1個当たりの売上高は、前期比で8〜9%減少すると予想している。同社はその要因を、「ハイエンド品では競合製品が投入され、ミドルクラスの製品では価格競争に直面すると予想されるため」と分析している。
Qualcommは2015年2月に、中国当局による14カ月間に及ぶ独占禁止法違反の調査を終わらせるために、企業が支払う罰金としては史上最高額となる9億7500万米ドルを支払うことで合意した。さらに、中国で使用されている特許のライセンス料を値下げすることにも合意した。これにより、Qualcommのライセンス収入は痛手を受けた*)。
*)関連記事:中国がQualcommに独禁法違反判決、特許使用料はどうなる?
Qualcommは、中国の一部のライセンシー(ライセンス使用者)は、まだデバイスの売上高を全て報告していないと考えている。さらに、「ライセンシーが、中国の新条項を採用するか、既存の契約条件を保持するかを決定するには時間がかかるだろう」としている。
しかし、Mollenkopf氏は、「中国による調査が行われる前の状態に、事業を回復できる可能性もある」と述べている。
同氏は、その理由について「中国では今後、機器メーカーの統合が進むと考えられる。そうなれば、コンプライアンスの観点から、たくさんの小規模企業と契約を結ぶよりも対応がしやすくなるからだ」と説明している。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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