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» 2016年12月12日 11時30分 公開

物理シミュレーションで知る「飛び込みコスト」の異常な高さ世界を「数字」で回してみよう(37) 人身事故(9/11 ページ)

[江端智一,EE Times Japan]

「失敗」した場合の結末は……

 それでは、最後に、「理想の飛び込み」に失敗した場合、どうなるかについて検討した結果をお伝えしておきます。

 ほとんどの場合、この空中衝突型の「美しい」飛び込み自殺には失敗しますが、その失敗のてん末は、結構悲惨です。

 電車との衝突時に、電車の前に飛んでいなければ、走行中の電車との接触事故になります。多分、最悪骨折くらいの事故にはなりますが、この程度では死ねません。ケガの痛みでホームの上を転げ回りながら、周りの乗客の見せ物になって、あざ笑われるのがオチです(ケース1)。

 また、体の一部だけ衝突した場合、うまくいけば脳挫傷で死ねますが、死ねなければ、一生半身付随の後遺症を残して生き続けることになるばかりか、その反動で、ホーム側に拭き飛ばされて、他の乗客にぶつかり、その人を大ケガ(最悪、死亡)させることになります。自殺の中でも最低なケースです(ケース2)。

 レールに着地してしまったら、もう空中衝突は望めません。後は、あなたの体はミキサーのように64回(8車輪、8車両)切り刻まれ、車底の突起物によって、全ての衣服と皮膚を引き裂かれて、真っ赤な肉片としてレール周辺に散乱します(これは、次回のシミュレーションで具体的にお話できると思います)(ケース3)。

 あるいは、大腿部または胴体をばっさり切断されて、噴水のように噴き出る大量の自分の血を見ながら、数分間、上半身だけになった姿で生き続けるという、最悪のシナリオもあり得ます(ケース4)。

 さらには、初動が早過ぎた、また飛び込み速度が早過ぎたため、レールを飛び越えてしまい、ホームの下で、大ケガをした揚げ句、すごく恥ずかしい思いをすることもあります(ケース5)。

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