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» 2016年12月12日 11時30分 公開

物理シミュレーションで知る「飛び込みコスト」の異常な高さ世界を「数字」で回してみよう(37) 人身事故(2/11 ページ)

[江端智一,EE Times Japan]

もう1つの遅延トラブル

 こんにちは。江端智一です。

 今回は、前回に引き続き、鉄道人身事故に関するTwitterのメッセージ解析の続編と、そして今回から ―― これまでの7回の連載を経て、満を持して、最終フェーズ「人身事故、物理シミュレーション編」を開始したいと思います。

 では、Twitterのメッセージ解析の続編から始めます。

 前回の後半では、10月26日の小田急小田原線狛江駅で発生した人身事故について、事故の巻き添えを食らった人のTwitterのメッセージを分析しました。

 その結果、(1)飛び込み自殺などの人身事故や鉄道会社をディスるメッセージが驚くほど少なかったこと、(2)メッセージの大半が、他人のメッセージを拡散するリツイートメッセージであったこと、などが分かり、Twitterメッセージの解析は、これで完了する予定でした。

 しかし、あの無礼な後輩からのメールで、考えが変わりました。

無礼な後輩(burei@na-kouhai.com)12月1日

江端さん

海老名駅のお客同士のトラブルで遅延ですよ。
相模大野から50分のところが、97分でもまだ着いていません。
この場合はお客死ね!と叫ぶTwitterがあっても良いかと思うのですが(苦笑)

iPhoneから送信


 ちなみに、私も、この事故に巻き込まれて、その日は1時間弱の遅刻となりました。

 当初は、このトラブルには特に興味がなかったのですが、少し調べてみたところ、前回の解析結果と比較できることに気が付きました。状況が類似していたからです。

 両方とも、小田急小田原線で、時間帯も新宿(都心)へのラッシュが激しい午前7時台に発生したものでした。

 大きく異なる点は、海老名駅は、上り方面の新宿に向かうには、相模大野、新百合ヶ丘という小田急の他の路線と合流する駅を経由しなければならないことと、遅延の発生の理由が「ケンカ」と「飛び込み」ということです。

 さて、この12月1日に海老名駅で発生したこの「ケンカ」の理由は至ってシンプルです。小田急線の車内で、座っていた30代男性の顔に、前に立っていた50代男性のコートが何度も当たりました。車内で言い争いに発展し、結局2人は海老名駅で降りてケンカになったのです。と、ここまではよくある話です。

 問題は、その際にどちらかが駅員を呼ぶために「列車非常停止ボタン」(駅係員呼び出しインターフォンではない)を押した、というこの1点にあります。

左が「列車非常停止ボタン」、右が「駅係員呼び出しインターホン」

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