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» 2012年07月27日 08時00分 公開

「I Love You」はペン入力でこそ伝わる、モバイルUI開発の今を聞くディスプレイ技術 タッチパネル(2/2 ページ)

[前川慎光,EE Times Japan]
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EETJ N-trigの歴史や提供する製品の特徴を教えてほしい。

Ben-David氏 N-trigは1999年に設立されたファブレスの半導体企業だ。イスラエルに本社を構え、米国や日本、中国、台湾にサポート/営業拠点を有する。2003年に「投影型静電容量式」と呼ぶ方式のタッチパネルの研究開発をスタートし、2006年にPC業界向けに製品化した。当社は、抵抗式タッチパネルが使われていたPC業界において、投影型静電容量式タッチパネルを初めて実用化した企業である。

 現在、マルチタッチパネル用の制御モジュールとアクティブ型ペンを組み合わせたソリュ―ションを、機器メーカーやOEMメーカーに提供している。制御用モジュールには、われわれが開発したSiP(複数のアナログチップとデジタルチップで構成)が載っている。独自性は、マルチタッチパネルとアクティブ型ペンの入力を、1つのセンサーパネルで処理できること。特許を有しており、これを実現する制御モジュールを提供できるのは当社だけである。

 競合他社の製品では、マルチタッチ用センサーパネルと、ペン入力用センサーパネルの2つが必要である。これに比べて、当社の制御モジュールには、部品コストが削減できること、消費電力を下げられること、薄型化が図れることという、3つの特徴がある。いずれも、スマートフォンやタブレットPC、これから市場に普及すると見込まれている薄型で高性能の「Ultrabook」を含むノートPCにとって重要な要素だ。

 従来、7〜15.6インチ型の液晶パネルに対応した制御モジュールを製品化していた。2012年7月に発売した新製品によって、5.3〜5.7インチ型の液晶パネルへと対応の幅を広げた。さらに、アクティブ型ペンの開発も進めている、これまでの当社のアクティブ型ペンは乾電池で動かしていた。新たに製品化したアクティブ型ペンでは、電力源にスーパーキャパシタを採用し、20秒の充電時間で8時間という稼働時間を実現している。これまでの直径が9.5mmのぺンに加えて、直径が8mmの品種を追加しており、さらに現在、直径が5.5mmのスマートフォン用のペンの準備を進めている。

EETJ 今後の開発計画を教えてほしい。

Ben-David氏 今後、低消費電力化や小型化を進める。現在、タッチパネル機能を液晶パネルの中に一体化する「インセルタッチパネル」や「オンセルタッチパネル」と呼ぶ液晶パネルに注目が集まっている。これらの液晶パネルを対象にした制御モジュールにはより高い雑音耐性が求められるため、これに応える品種の開発を進めている。

 日本市場では、これまではタブレットPCを含むPCに注力してきた。今後は、Ultrabookやスマートフォン、電子書籍リーダーへの売り込みを強化していきたい。

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