iPhone 5は、ピンの数を減らし、外部コネクタをよりスリムなデザインにすると予想されている。これによって、iPhoneのハードウェア設計における自由度が高まる。だがその一方で、エンドユーザーはiPhone 5を既存のドックに接続するために、新たな周辺機器やアダプタを購入しなければならなくなってしまう。
Strauss氏は、「採用するコネクタによっては、多くの製品が使えなくなる可能性がある。Appleにとっては、コネクタを変えるだけでまったく同じような製品を販売できるチャンスかもしれない。だが、ユーザーにとっては極めて迷惑な話だ」と述べている。
Yogasingam氏は、「iPhone 5ではイメージセンサーがアップグレードされて、解像度、撮影速度、動画機能がさらに向上する」と予想している。Appleはこうした機能の向上に向け、「iPhone 4S」ではイメージセンサーの供給元をそれまで採用していたOmnivisionからSonyに変更した。
同氏は、「Appleは、何世代にもわたってiPhoneの加速度センサーやジャイロセンサー(角速度センサー)にSTMicroelectronicsの同じチップを採用してきたが、これらのチップもアップグレードする可能性がある」と付け加えた。
iPhone 5がNFCに対応するかどうかについては、まだ議論が続いている。Strauss氏は、「NFCに対応するというのは誇大広告で、実際には採用されないはずだ。米国ではNFCのインフラが十分に整備されていないので、NFCの対応に見合った販売効果を得られないと考えられる」と分析する。
一方、Yogasingam氏は、「Appleは、iPhone 5にNFCを採用するだろう。NFCはBluetoothに比べてデータ交換などで消費される電力が低いことから、Appleはアプリケーション開発者に対してNFCの採用を勧めている」と述べている。
Appleはトレンドの波に乗って、Samsungなどのライバル企業が最新機種に搭載しているような大型ディスプレイをiPhone 5に採用するのではないかとうわさされている。だが、Strauss氏は、「Appleは、7インチのディスプレイを搭載したiPadを発売するとは思うが、5インチのディスプレイを搭載したiPhoneを発売するとは思えない。それによって市場が混乱する可能性があるからだ」と、そのうわさを否定している。
これとは別に、ある情報筋は、「Appleは、中国の上海で新しいサプライチェーンパートナーとの提携関係を進めている」と話す。また、2012年7月には、台湾のPegatronが次世代iPadの製造契約を獲得したと報じられた。
上海の新しいパートナーが、次世代iPadを受注したと言われるPegatronの中国支社なのか、iPhone 5で提携関係を結んでいる別の企業なのかは定かではない。だが、Appleが大量の発注を出しており、価格設定と秘密保持の両方において厳しい契約を結んでいることは確かなようだ。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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