スーパーコンピュータの基本技術について、IBMの技術者は、「アクセラレーション技術の向上だけでは、エクサスケールレベルのシステムに向けて大きく前進することはできない。そのようなシステムを実現するには、プロセッサとメモリーの3次元積層を導入する必要がある」と主張している。また、米テネシー大学の教授で、TOP500の選出にも携わったJack Dongarra氏は、「消費電力は大きな課題だ。Titanのエネルギ効率は約2GFLOPS/Wだが、エクサスケールレベルのシステムを実現するには50GFLOPS/W程度のエネルギー効率が必要になる」と述べている。
インターコネクト技術について見てみると、今回発表されたTOP500リストでは、クラスタに用いるインターコネクト技術として、イーサネットよりもインフィニバンドが多く使われていた。2012年6月のTOP500では209システムがインフィニバンドを採用していたが、それが今回は226システムにまで増えた。一方、ギガビットイーサネット(GbE)を採用するシステムの数は、2012年6月の207から188まで減少している。
ともあれ、IntelがTOP500のシステムの大部分に向けてプロセッサを供給するという状況は、今後も続くと予想される。今回発表されたTOP500では、Intelのプロセッサを使うシステムが全体の76%を占めた。AMDのOpteronがそれに続く12%で、IBMの「Power」系プロセッサが10.6%だった。また、8コア以上のプロセッサを搭載するシステムの割合は増加傾向にあり、全体の46.2%に上っている。
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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