Harwell Dekatronは、Post Office 3000型のリレーを用いて製造された。このリレーは、電話交換局という過酷な環境でも10年間稼働できるよう設計されており、極めて出来の良いものだった。
シーケンス制御はリレーを土台としていたが、演算は真空管とトリガー管、そして計数放電管を用いて電子的に行われていた。高電圧を生成する電源装置を2台備えており、整流器によってメインのAC電源からいくつかの高いDC電圧を生成していた。また、安定化電源装置により、さまざまな回路に用いるために約12種の電圧が生成されていた。
Harwell Dekatronの整流器は、この装置の稼働期間中に何度も改修された。1950年代の酸化銅整流器から現代のシリコンダイオードを使用した整流器に至るまで、あらゆる技術を利用した整流器が使われた。もともとの酸化銅整流器を現代の整流器に置き変えたのはTNMOCだが、そのほかの技術を用いた整流器は、Wolverhampton and Staffordshire Technical Collegeで使用されていたときに既に置き換えられていたという。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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