米州(南北アメリカ)における2カ月連続の成長に後押しされ、2012年11月の世界半導体売上高は上昇し、例年の値を上回った。それでも、2012年の世界半導体売上高が前年を上回ることはありそうにない。
米州(南北アメリカ)における2カ月連続の力強い成長を受け、2012年11月における世界半導体売上高は上昇し、例年の値を上回った。米半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)によると、同月の半導体売上高(3カ月平均値)は、2012年10月と比べて2.0%増、2011年11月と比べて2.0%増となる257億3000万米ドルに達したという。
米州における半導体売上高は、2012年の年間成長率で9.7%となった。米州およびアジア太平洋地域での成長は、欧州と日本の低迷を補って余りあるものだった。しかし、2012年第4四半期の世界半導体売上高が、2012年1〜9月の低迷を打破したり、「2012年の世界半導体市場は2011年に比べ縮小する」というSIAの予想を覆したりするほどの成長を遂げることは、現時点ではありそうにない。
SIAのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)であるBrian Toohey氏は、報道発表資料の中で、「2012年に世界の半導体産業は不況にあえぐマクロ経済に直面したが、米州におけるここ数カ月の好調な売り上げによって、良い方向へ向いて2013年を迎えることができた。この機運を確実に継続するために、米連邦議会は長期的かつ信頼性のある財政政策をまとめ、米国の経済力と国際的な競争力を高めて、経済の不安定さを解消する必要がある」との見解を示している。
SIAがデータソースとしている世界半導体市場統計(World Semiconductor Trade Statistics)は、月ごとの売上高を取りまとめているが、SIAは月ごとのデータを3カ月平均値として発表している。通常、実際の売上高は四半期の初めに低迷し、四半期の終わりに上昇する。そうした浮き沈みの差をならすために、SIAやその他の地域の半導体業界団体は、平均化したデータを用いることを選択している。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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