2013年における半導体ファブの設備投資額は、前年比で約17%増となる427億米ドルに達するとみられている。ファブの投資は、韓国や中国、台湾で集中するという。
半導体関連の業界団体であるSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)によると、2013年における半導体ファブの設備投資額は、前年比で16.7%成長し、過去最高となる427億米ドルに達する見込みだという。米国内のウエハーファブ建設が一段落する中、韓国や中国、台湾においてファブ建設プロジェクトが進んでいることから、ファブの設備投資の舞台は東に移っているようだ。
SEMIによれば、世界全体の半導体製造工場は現在、1150カ所を超えるという。そのうち300カ所を超える数の工場は、光エレクトロニクスやLEDの製造を専門に手掛けている。SEMIによると、2012年には新たに76カ所の工場が稼働を開始する見込みだという。
今回のSEMIの設備投資額予測の調査対象には、新品と中古の装置に加えて、改修を行った社内設備が含まれているが、テスト/組み立て/パッケージング用の装置は除外されている。設備投資費は、ウエハーファブの立ち上げやプロセス技術の微細化、ウエハーサイズの拡大/変更などに充てられる。
SEMIによると、ファウンドリは2012年に約100億米ドルの設備投資を行い、2013年にはさらに約100億米ドルを追加投資する見込みだという。
2012年におけるファブ建設費が最も高いのは、南北アメリカ地域だ。IntelやGLOBALFOUNDRIES、Samsung Electronics、Micron Technologyなどがファブ建設プロジェクトを実行していることから、2010〜2012年の南北アメリカ地域における投資額は60億米ドルを上回る見込みだ。しかし、これらの建設プロジェクトのほとんどが2012年末までに完了する予定であり、同地域でその後新たに大規模なファブが建設される見込みはない。このため、同地域のファブの設備投資額は、2011年には約30億米ドルだったが、2012年には5億米ドル未満にまで減少するとみられる。
2013年におけるファブ設備投資の大半は、台湾や中国、韓国で行われる見込みだ。
Samsungは、最大4カ所の既存のメモリ製造ラインを、ロジックIC製造ラインに改修する予定である。さらに同社は、中国の西安市に70億米ドルを投じてNAND型フラッシュメモリの製造施設を建設する計画も発表している。2012年9月半ばには着工する予定だという。また、SMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)が北京に新工場の建設を予定している他、TSMCやUMCも台湾でファブ関連のプロジェクトを進めている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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