スマートフォン関連で特許係争を続けてきたSamsung ElectronicsとApple。2012年の判決では、SamsungがAppleの特許を侵害しているとして、10億5000万米ドルの賠償を命じられた。しかし、米連邦裁判所は、これを「妥当な法理論に基づいて算出された賠償金額ではない」として、賠償金の40%に当たる約4億米ドルについて見直すことを決定した。
米国の連邦裁判所は2013年3月1日、「Samsung ElectronicsがAppleに支払わなければならない賠償金10億5000万米ドルを、40%以上削減する」との判決を下した。
Reuters(ロイター通信)の報道によれば、米カリフォルニア州サンノゼの連邦地裁判事であるLucy Koh氏は、賠償金の金額を確定するために再審日を設定したという。また、Investor's Business Daily紙が掲載した記事では、「Koh氏は、賠償金を5億9900米ドルに減額した」とされている。
またKoh氏は、Appleが申し立てていた賠償金の増額については否認している。同氏はその理由について、27ページに及ぶ判決文の中で、「陪審は、許容し得ない法理論に基づいて賠償金を算定したことから、賠償金額を正しく計算できていなかった。これを是正し、かつ陪審側の意図も正しく反映させるため、賠償金額を確定するための再審を命ずる」と記している。
Koh氏は、再審の日付を設定しなかったが、AppleとSamsungに対して上告するよう求めた。
サンノゼにおいて長年にわたり協業関係を構築してきたAppleとSamsungが争う裁判は、これまでも大きな注目を集めてきた。2012年の判決でSamsungは、Appleの複数の特許を意図的に侵害したとして、10億5000万米ドルの損害賠償の支払いを命じられている。これにより、Appleが法的勝利を収める結果となった。Appleは当初、約27億1000万米ドルを賠償金として要求していた。
9名から成る陪審員団は、「Samsung製携帯電話機の多くの機種が、Appleの2つの意匠特許と3つの実用特許を侵害している」とする判決を下した。ただし、Samsungのタブレット端末に関しては、Appleの「iPad」の意匠特許を侵害していないとの結論を出している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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