Appleは最近、投資家向けに2014年第2四半期の決算発表を行った。同社のCEO(最高経営責任者)であるTim Cook氏はその中で、Appleが中国国内で飛躍的な成長を遂げたことについて強調している(関連記事:Appleが中国で好調、「これから最盛期を迎える」とCook氏)。同氏によると、同四半期における売上高全体の374億米ドルのうち、中国国内での売上高は98億米ドルに達するという。同氏は、「当社は中国全土において、素晴らしい成長を遂げることができた」と述べている。
Appleの中国国内における売上高のうち、中国政府からの受注による売り上げの割合はほんのわずかにすぎないだろう。同社はそれについて、具体的な数字を明らかにしていない。しかし、中国政府が複数のApple製品を調達リスト対象から外したことによって、Apple製品に対する消費者の熱狂が冷めたり、中国当局との交渉が妨げられたりする可能性もある。
中国では、国家の利益のために企業方針が策定されるため、外国企業の負担が大きく、中国企業の方が有利な立場にある。しかしこうした中、米国企業はこれまで中国において、多くの実績を積み重ねてきた。
中国政府は、とりわけ情報を取り扱う企業に対して厳しい要求を突き付けている。情報の中には、脅威となるものが含まれている場合もあると考えているからだ。2010年、Googleはサイバー攻撃を受けたことを理由に中国から撤退する可能性を示唆した。ただ、2012年には再び中国でビジネスを拡大する方針を明らかにしている。
中国でのビジネス展開はいまだに不安定な状況が続いている。Microsoftとアクセンチュアに対しては、独占禁止法の執行機関の調査が入った。そして今回はAppleの製品がリストから除外されたことになる。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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