スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器に対する需要増に応えるため、SamsungはロジックICの製造施設を建設するという。同社は2012年4月にも、70億ドルを投資して中国にNANDフラッシュメモリ工場を新設すると発表したばかりである。
Reuters(ロイター通信)によると、Samsung Electronicsは、19億米ドルを投じて、スマートフォンやタブレット端末に搭載するロジックICの製造施設を建設する計画だという。
Reutersは、Samsungのコメントとして、「同ラインでは、20nmおよび14nmプロセス技術を適用し、300mmウエハーを製造する。2013年末までの建設完了を目指す」と伝えている。Samsungは、同施設を建設する目的について「スマートモバイル機器の需要増に対応するため」と説明しているという。
今回の報道では、既存のファブにロジックIC用のラインを追加する形で同施設を建設するのか、ロジックIC専用のウエハーファブを新たに建設するのかといった詳細は明らかにされていない。なお、韓国の器興(Giheung)区にあるSamsungの「Line-14」は、2011年末にメモリからロジックICの製造施設に移行している。
米国の市場調査会社であるABI Researchによると、携帯電話機向けチップ市場の2011年の売上高は、300億米ドルを上回ったという。携帯電話機向けチップとは、プロセッサやRF ICの他、パワーマネジメント機能やワイヤレス接続機能を搭載したチップなどを指す。ABI Researchは、「同市場の年間売上高は、今後5年間で約400億米ドルに増加する」と予測している。
Samsungは現在、Appleの「iPad」と「iPhone」向けに「A5」および「A6」プロセッサを提供している。しかし、Appleは、A6プロセッサの製造にTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)の28nmプロセスを採用するとのうわさもある。
Samsungは2012年4月に、中国の西安市に70億米ドルを投じてNAND型フラッシュメモリの製造施設を建設する計画を発表している。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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