GLOBALFOUNDRIESは現在、14nm XMテクノロジーの開発を進めている最中だ。米国のニューヨーク州にある同社の製造施設「Fab 8」において、テストチップを試作している。また現在、早期プロセス設計キット(PDK)を提供しており、顧客向け製品のテープアウトについては2013年を予定しているという。
市場調査会社である米国のVLSI Researchでチェアマンを務めるG. Dan Hutcheson氏は、「これまでに、新世代のプロセス技術への移行を2年連続で実現した半導体メーカーは1社もない。もしGLOBALFOUNDRIESが今回それを実現できれば、大きな飛躍を達成することになる」と述べている。
GLOBALFOUNDRIESのOffice of the CTOでアドバンストテクノロジアーキテクチャ部門の責任者を務めるSubramani Kengeri氏は、「当社の20nm世代の低消費電力プロセス技術と、14nm XMテクノロジーには類似性があり、顧客企業は20nm世代の設計のうち、かなりを次世代の14nmの設計にも活用できる。14nmプロセスでは、FinFETへの対応に向けて新たに約60個の設計ルールが追加される予定だが、それ以外に2つのプロセス世代では共通の設計ルールが約7千個もある」と述べている。
市場調査会社である米国のIHS iSuppliでディレクタ兼チーフアナリストを務めるLen Jelinek氏は、「GLOBALFOUNDRIESは、製造ロードマップの実現を積極的に加速させている。ファウンドリ業界の中で技術リーダーとしての地位を獲得するためには、Intelをはじめとする半導体メーカー全体の中で主導的な地位を確立する必要があると認識しているのだろう」と述べている。
Jelinek氏は、「GLOBALFOUNDRIESにとって最も重要な競合相手は、ほかのファウンドリ専業メーカーではなく、Intelだ。GLOBALFOUNDRIESは、ファウンドリの売上高ランキングにおいて第2位の座を獲得しているものの、第1位のTSMCに大きく差を付けられている。GLOBALFOUNDRIESにとって最大の顧客はAMDであるため、業界のリーダーであるIntelと競合できるようなプロセス技術をAMDに提供する必要があるのだ」と述べている。
また同氏は、「GLOBALFOUNDRIESは、世界第1位のファウンドリ企業になろうとしているわけではない。それが無理なのは分かっているはずだ。同社にできるのは、業界の“技術リーダー”としての地位を確立することであり、現在その目標に向かって取り組んでいるところだ」と語った。
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